魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

マージナリア(本の感想)

澤田瞳子『星落ちて、なお』

河鍋暁翠「巳年の福神遊」から、琵琶を弾く弁財天(右)と笛を吹く吉祥天(左)と太鼓を打つ大黒天(下)。「七福神めぐり資料集」より。 表題作につきまして、一天一笑さんから紹介記事を頂いておりますので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうござ…

霧島兵庫『信長を生んだ男』

2015年に撤去される前の織田信秀の墓の入口。名古屋市中区大須、亀岳林万松寺境内。ウィキメディア・コモンズより。 表題の歴史小説につきまして、一天一笑さんより紹介文を頂いておりますので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 プロ…

再読・多島斗志之『黒百合』

1945年8月6日、5度目の空襲直後の西宮市街地(白鹿酒造記念博物館所蔵)。神戸新聞のホームページより。総務省のホームページによれば「5回にわたる空襲による西宮市の罹災面積は225万3,000坪で、全市面積の約20%にのぼった。県下で2番目という被害であり、…

門井慶喜『なぜ秀吉は』

表題の歴史小説につきまして、一天一笑さんから紹介文をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 門井(かどい)慶喜(よしのぶ)『なぜ秀吉は』(毎日新聞出版)を読了して。豊臣秀吉はなぜ文禄・慶長の役を強行しなけれ…

吉川永青『憂き夜に花を』

「2012年隅田川花火大会」。ウィキメディア・コモンズより。 表題の作品につきまして、一天一笑さんより紹介文を頂いておりますので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 吉川永青『憂き夜に花を』(中央公論新社)を読了して。花火見物…

岩井三四二『室町もののけ草紙』

1994年のNHK大河ドラマ『花の乱』で少女時代の日野富子を演じる松たか子。うしろは細川勝元役の野村萬斎。https://aikru.comより。 表題の歴史短編小説集につきまして、一天一笑さんより作品紹介をいただいておりますので掲載します。一天一笑さん、いつもあ…

田中啓文『信長島の惨劇』

千利休屋敷跡 (堺市堺区宿院町西1丁)。ウィキメディア・コモンズより。 一天一笑さんから表題作の紹介文を頂いておりますので掲載します。 田中啓文『信長島の惨劇』(ハヤカワ時代ミステリー)を読了して。多作の奇才、田中啓文の魅力が存分に発揮された…

『D. G. ロセッティ作品集』(岩波文庫)

D. G. ロセッティ「自画像(1847年)」。wikiart.orgより。 訳詩家としてのD. G. ロセッティ 「ヘレン姉さま」と「ジェニー」 訳詩家としてのD. G. ロセッティ この本、図書館で借りて、通勤電車の中で読み飛ばし、得るところ多かったので少しまとめておこう…

頭痛持ちの歌――日夏耿之介の「青面美童」

その夜の空は 星をちりばめ 濛々と香霧を降らし 草木うれしみ夜気を吐くのに…

霧島兵庫『静かなる太陽』(2)

オーストラリア出身のジャーナリスト、ジョージ・モリソン(George Morrison, 1862 - 1920)。イギリスの画家フレデリック・ホワイティング(Frederic Whiting, 1874 – 1962)の手になる肖像画。ウィキメディア・コモンズより。 一天一笑さんによる霧島兵庫…

霧島兵庫『静かなる太陽』(1)

「陸軍砲兵中佐柴五郎氏」。ウィキメディア・コモンズより。 表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 はじめに 柴中佐、北京に着任する。 はじめに 霧島兵庫『静かな…

「ゴシック・ローマン詩体」入門(日夏耿之介『黒衣聖母』より)

薔薇 笑きぬ その罪 紅し矣

赤江瀑『オイディプスの刃』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 赤江瀑『オイディプスの刃』(河出文庫)を読了して。この作品は、2006年6月に出版されたハルキ文庫板を底本として、2…

下村敦史『絶声』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 はじめに 父は法律的に死ぬのか 父は生きている 故人ブログは何を語るのか 父の遺書を探せ 家庭裁判所調査官、真壁勇作の見…

D. G. ロセッティ(Dante Gabriel Rossetti)「音のない真昼時(Silent Noon)」

D. G. ロセッティ(Gabriel Charles Dante Rossetti, 1828 – 1882)のソネット連作『命の家(The House of Life)』の中に、「音のない真昼時(Silent Noon)」という作品があります(1881年版『命の家』第19番)。原文は以下の通り。Your hands lie open in…

門井慶喜『家康、江戸を建てる 』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 はじめに 門井慶喜『家康、江戸を建てる 』(祥伝社文庫)を読了して。1590年、北条氏滅亡(小田原征伐、北条氏照・氏政…

伊東潤『家康謀殺』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 伊東潤『家康謀殺』(角川書店)を読了して。本書は、1560年(永禄3年)~1615年(慶長20年)の日本を舞台にした珠…

岡田秀文『大坂の陣』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 岡田秀文『大坂の陣』(双葉社)を読了して。この小説は豊臣家滅亡へのロード・マップ、そして豊臣恩顧の大名たちの“抗えぬ…

『決戦!大坂城 』

表題の作品集につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 『決戦!大坂城』(講談社)を読了して。葉室麟、木下昌輝、富樫倫太郎、乾緑郎、天野純希、冲方丁、伊東潤の7人が、ひた…

葉室麟『冬姫』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 はじめに 葉室麟『冬姫』(集英社)を読了して。戦国時代、覇王織田信長の2女として生まれ、長じてはキリシタン大名蒲生氏…

多島斗志之『黒百合』

文庫版のカバー。六甲山上のヒョウタン池をイメージしたもの。amazon.co.jpより。 表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 多島斗志之について 多島斗志之『黒百合』…

伊東潤『天下人の茶』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 伊東潤『天下人の茶』(文藝春秋)を読了して。この歴史小説は、豊臣秀吉が1596年5月、後陽成帝に能を奉納する場面から…

仁志耕一郎『家康の遺言』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 仁志耕一郎『家康の遺言』(講談社)を読了して。『松姫はゆく』などで骨太な筆致と細やかな人情の描写に定評のある仁志耕一…

葉室麟『津軽双花』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 葉室麟氏の紹介 葉室麟『津軽双花』(講談社)を読了して。2005年に『乾山晩愁』でデビュー(当時50歳)、『実朝の首…

葉室麟『孤篷のひと』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 葉室麟『孤篷のひと』(KADOKAWA)を読了して。安土桃山時代に大名(従五位遠江守・伏見奉行)として、古田織部の一番弟子と…

伊東潤『峠越え』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 伊東潤『峠越え』(講談社)を読了して。徳川家康の有名な遺訓“人生は重き荷を負いて、遠き道を行くが如し。急ぐべからず、…

加藤廣『空白の桶狭間』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 加藤廣『空白の桶狭間』(新潮社)を読了して。『信長の棺』『秀吉の枷』で設定された秀吉の出自<山の民>に焦点を当て、『…

加藤廣『家康に訊け』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 加藤廣について 加藤廣『家康に訊け』(新潮社)を読了して。75歳で作家デビューを果たし、『信長の棺』『秀吉の枷』『明…

永岡慶之助『数寄の織部』

表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 はじめに 永岡慶之助『数寄の織部』(PHP文庫)を読了して。この小説は、戦国時代後期に豊臣秀吉・千利休の知遇を得て、武将…

続・服部まゆみ『罪深き緑の夏』

表題の作品について、一天一笑さんよりあらためて紹介文をいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。 はじめに この本(河出文庫版)は1991年刊の角川文庫版を底本とする『罪深き緑の夏』の復刻版です。1987年『時…