魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

風野真知雄『密室本能寺の変』

風野真知雄の歴史小説『密室本能寺の変』(2017年、祥伝社 )の一天一笑さんによる内容紹介です。

風野真知雄『密室本能寺の変』(最終回)

猫大明神祠(佐賀県白石町大字福田)に祭られている化け猫の像。牙をむき、七本の尾を振っている。ウィキメディア・コモンズより。 信長殺害の動機 終幕 信長殺害の動機 下手人は寺男の五郎作だった。では動機は?「何故こんなことをした?誰かに命じられた…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十七)

2013年4月、ロンドンで催された「殺人ロボット開発反対キャンペーン」に登場した模造ロボット。www.voanews.comより。 光秀、実験を試みる。 五郎作、信長撲殺を再現する。 光秀、実験を試みる。 光秀は紐を手にして、卓(つくえ)をジッと見つめた。「光秀…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十六)

蜜蝋の手燭。栃木県茂木町の陶芸作家、樋口美世子さんによる作品。「ハチ蜜の森キャンドル」さんのホームページから。 光秀、本能寺の絵図を描く。 光秀、五郎作と対面する。 光秀、本能寺の絵図を描く。 光秀は、再び高田竹虎を呼び、紙と筆を持ってこさせ…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十五)

斎藤義龍像。ウィキメディア・コモンズより。 弥助の供述 光秀、信長撲殺の謎を解けるか? 光秀、四人を解放する。 弥助の供述 光秀は頭を抱えた。一体どういうことなのだ。三人が三人とも信長暗殺に成功したという。もはや、誰が信長を暗殺したのかは問題で…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十四)

「赤壁の戦い」を前に、詩を吟ずる曹操。中国「頤和園(いわえん)」(北京市)内「長廊」の装飾画。ウィキメディア・コモンズより。 光秀、島井宗室を尋問する。 斉藤利三は困惑して言った。「どういうことでしょう、近衛も自分が信長を殺したと」「奇妙だ…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十三)

宗像神社(京都府京都市上京区京都御苑内)にある「花山院邸跡」の石碑。ウィキメディア・コモンズより。 近衛前久と花山院高雅の弁明 愕然としている光秀に斎藤利三が言った。「これで下手人はわかりましたな」「本能寺は焼いてしまおう」御堂の窓から本堂…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十二)

現在の本能寺(京都府京都市中京区下本能寺前町)に立つ創建者・日隆聖人の像。なお現在の本能寺には日承上人の墓もあり、皇族なので宮内庁の管轄となっているとのこと。ウィキメディア・コモンズより。 住職・日承(にちじょう)上人の供述 日承上人との問…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十一)

日海こと本因坊算砂は将棋も強かった。上は将棋の初代名人・大橋宗桂との1608年1月28日付の棋譜から、宗桂が4六銀とぶつけた局面。400年経った今でも緊迫感がひしひしと伝わってきます。「NHKテキストビュー」より。 光秀、密室の謎に挑む 高田竹虎の供述 …

風野真知雄『密室本能寺の変』(その十)

薙刀(なぎなた)を振るって戦う巴御前。楊洲周延(ちかのぶ)による木版画。ウィキメディア・コモンズより。 御殿の有様 本能寺炎上 光秀の尋問 御殿の有様 弥助が鉞(まさかり)を二十回ほど振り降ろした頃か、三寸くらい扉が削られ、閂(かんぬき)が見え…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その九)

久遠の像(新宿中央公園)。蓑を借りようと立ち寄った太田道灌と、貸さなかった農家の娘との大変美しい故事に因んだもの。ウィキメディア・コモンズより。 蘭丸たちの応戦 光秀 蘭丸 再び光秀 蘭丸たちの応戦 近習たちが御殿前に集合したが、誰一人として鎧…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その八)

『大江山絵巻』。酒呑童子に関する最古の典籍とされる。ウィキメディア・コモンズより。 光秀、老いの坂を下る。 要塞化された本能寺中心部 天正十年六月二日朝 光秀、突入。 光秀、老いの坂を下る。 老いの坂(京都と亀山城の中間地点)の峠を下った所で、…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その七)

ゲンジボタルの群れの発光。山口県下関市にて。ウィキメディア・コモンズより。 島井宗室との密談 光秀、亀山城を出立する。 再び御堂:碁の対局が始まる。 島井宗室との密談 信長は御堂の囲炉裏に戻り、島井宗室と話を始めた。茶頭の長谷川宗仁もすでに帰っ…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その六)

京都市勧業館にあった法勝寺の復元模型。中央に見えるのは高さ約81メートルあったとされる八角九重塔。ウィキメディア・コモンズより。 スナイパーあらわる 再び丹波・亀山城 再び本能寺:宴の終わり スナイパーあらわる 蘭丸は御殿を出て回廊に立った。「雨…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その五)

牧谿(もっけい)筆『観音猿鶴図』(国宝、大徳寺蔵、三幅対)のうちの一幅、「白衣観音像」。ウィキメディア・コモンズより。 宴 丹波・亀山城 宴 「世に二つとない名物茶器が、信長公の手元に揃っているとの噂ですが」近衛前久が調子のいい口調で言った。…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その四)

様々な手裏剣。甲賀市忍びの里プララにて。ウィキメディア・コモンズより。 曲者 宴の始まり 曲者 信長が長谷川宗仁に代わって茶を点て始めたとき、黒人小姓の弥助が蘭丸を呼んだ。弥助は、信長が宣教師から貰い受けた身長百九十センチを超える大男で、相撲…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その三)

笏を持つ神職。2006年5月、鴨川のほとりにて。ウィキメディア・コモンズより。 六月一日:茶会前、公家達の様子 蘭丸、茶会の警備をする。 六月一日:茶会前、公家達の様子 公家達は、信長の機嫌がそれ程悪くなさそうだと見て、安堵した。「こちらこそ、大勢…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その二)

二条昭実像(部分)。17世紀。ウィキメディア・コモンズより。 天正十年六月一日 天正十年六月一日 朝から絹糸のような雨が降り続いていたが、小石を敷き詰めた本能寺の境内には水溜りは出来なかった。蘭丸は急いで朝食を済ませ、信長に朝の挨拶をするとすぐ…

風野真知雄『密室本能寺の変』(その一)

岐阜県可児市兼山の可成寺にある森蘭丸・坊丸・力丸の墓。ウィキメディア・コモンズより。 表題の作品につきまして、一天一笑さんから紹介記事をいただきましたので掲載します。どうかよろしくお願いいたします。 はじめに 天正十年(1582年)五月三十日:本…