魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

ゼッパレラ VS レズ・ツェッペリン(Zepparella vs. Les Zeppelin)

<目次>

アンナ・クリスティナが帰ってきた!

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レッチェン・メン(写真右)と復帰したアンナ・クリスティナ。ゼッパレラの公式サイトより。

メンバー全員が女性のレッド・ツェッペリン・トリビュート・バンドというと、何年か前に日本にも来たレズ・ツェッペリン(Lez Zeppelin)が有名ですが、今日ここでご紹介するゼッパレラ(Zepparella)もまたこれに負けない人気と実力と実績を兼ね備えた優れたバンドです。そのゼッパレラの公式サイトにおいて、去る2018年3月28日、オリジナル・メンバーのアンナ・クリスティナ(Anna Kristina)が復帰した由、正式に告知がありました。これは大方のゼッパレラ・ファンにとって朗報と言ってよろしいでしょう。
実は去年の秋ごろからアンナがふたたびゼッパレラとステージに立っている動画がYouTubeに投稿され始め、「アンナが帰ってきた!」「アンナ、お帰り!」等のコメントが寄せられているところなのでした。こう書くと、前任のノエル・ダウティ(Noelle Doughty)が余程ダメな子だったみたいですが、私は必ずしもそうは思いませんが、たとえばアンナはハーモニカが上手で、ノエルはハーモニカをよう吹かんかったので、これだけでもゼッパレラにとっては戦力強化ということになり、今後が期待できそうです。

ゼッパレラのメンバーの変遷

ここでゼッパレラのメンバーの移り変わりについて、おおざっぱに振り返ってみます。ちなみにライバルのレズ・ツェッペリンも昨年あるいは一昨年、またまたメンバー(ステフ以外の)の総入替えを行なったようですね。
さてゼッパレラというバンドは2004年、ドラムのクレメンタイン(Clementine)がAC/DCのカバーバンド「AC/DShe」において戦友だった凄腕の女ギタリスト、グレッチェン・メン(Gretchen Menn)に声をかけたところから始まったと言われている。他のメンバーは後から集めたようですが、ヴォーカルは初めからアンナだったわけではないようです。しかし公式サイトはアンナを「オリジナル・シンガー」としておりますので、そちらに従っておきましょう。公式サイトは恐らく下の動画のメンバーを「オリジナル・メンバー」と考えているのだろうと察せられます(曲は「レヴィー・ブレイク」ゼッパレラの公式サイトにて公開中)。

この動画を初めて見た時の感動を、私はいまだに忘れることができません。ホンマに本家ツェッペリンも真っ青といった感じの美しい演奏です。当時のメンバーは以下の通り。


ドラム:クレメンタイン(Clementine)
ギター:グレッチェン・メン(Gretchen Menn)
ヴォーカル&ブルースハープ:アンナ・クリスティナ(Anna Kristina)
ベース:ニラ・ミネロク(Nila Minnerok)

しかしこの動画が公開されたのが2010年3月、その年の暮れにはアンナとベースのニラ・ミネロクが他のプロジェクト(ソロ活動等)で忙しいとしてバンドを脱退、グレッチェンとクレメンタインは後任選びに苦労することとなります。

難航した?ヴォーカリスト選び

次なる動画は2011年4月、オレゴン州ポートランドのFMラジオ局でのライブ。曲は「ランブル・オン」。

私はこの動画にも深い感銘を受けました。一つ言えるのは、私のように学生時代、輸入盤屋でツェッペリン海賊版を買いあさっては聴きふけっていた者にとって、先の「レヴィー・ブレイク」もそうですが、こういう本家ツェッペリンがステージでは滅多に演らなかったナンバーの見事なコピーを見せられますと、とても新鮮な感動を覚えるのです。
そしてもう一つはもちろん、この黒人の女の子の歌唱力ですね。私はこの動画を見てこの女の子がすっかり気に入ってしまい、ゼッパレラは当然この子を伴ってツアーを開始するものと思い込んでおりました。実際、この時のゼッパレラのインタビュー動画を見ますと、この女の子は(ベースのアンジェリン・サリスとともに)司会者から自己紹介を促され、「私がゼッパレラの新しいシンガー、マイヤ・シャンブリー(Miaya Shambry)です」とはっきり発言しておりますので、これを見た者が「ああ、ゼッパレラの新メンバーはこれで決まりだな」と早合点したとしても、何の不思議もなかったのです。
しかし、事実は違いました。詳しいことはよくわかりません。私の記憶では、公式サイトで新メンバーとしてノエル・ダウティ(Noelle Doughty)の名が公表されたのは翌2012年になってからだったかと思います。

ノエル・ダウティの魅力

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ノエル・ダウティ。ゼッパレラの公式サイトより。

私がノエルのパフォーマンスを初めて見たのは、下の動画においてだったと記憶します。2012年9月、ユタ州オグデンにて。曲は「死にかけて」。

もしあなたが上の動画を最後までご覧になったとすれば、私はあなたに謝らなければならないかも知れません。これはゼッパレラとしては、それほど不出来な演奏なのです。コメント欄には「音の調整不良か?」といった意見もありますが、確かにそんな気もしますが、とにかくギターとドラムの自己主張が激しすぎて、新入りの金髪巻き毛の可愛らしいお嬢さん(ノエル)は、極端に言えばステージの中央に突っ立って口をパクパクさせているのが精一杯、といった風にしか見えません。
「ふっ。ゼッパレラも終わったな」。これが当時の私の偽らざる感想でした。
しかしながらノエルも場数を踏んでいくうちに次第に本来の実力を発揮するようになり、またこの2012年から2017年にかけて(アンナの復帰は本当に唐突でした)、ゼッパレラは実に精力的に巡業活動を行っておりまして、またその動画をファンが頻繁にネット上にアップし、私なんかもゼッパレラの動画はいつも何となく習慣的にチェックしておりましたので、次第にノエルのことも「いつもの顔ぶれ」の中のひとつの顔として認識されるようになっておりました。実際、いくらグレッチェン・メンが天才だからといって、一人でバンドができるわけもなく、数年にわたってゼッパレラを支え続けたノエルの功績は大きいと思います。
それゆえ、いつだったか、それほど前のことではありませんが、ゼッパレラの公式サイトを訪れて、ノエル関連の動画や画像がきれいさっぱり削除されているのを見た時は、とても淋しい気がしたものです。今は復活しておりますが。

ここでもう一度、ゼッパレラのメンバーの推移についてまとめておきましょう。

第1期(2005年~2010年)(公式サイトのいわゆる「オリジナル・メンバー」)

ドラム:クレメンタイン(Clementine)
ギター:グレッチェン・メン(Gretchen Menn)
ヴォーカル&ブルースハープ:アンナ・クリスティナ(Anna Kristina)
ベース:ニラ・ミネロク(Nila Minnerok)

第2期(2012年~2017年)
ドラム:クレメンタイン(Clementine)
ギター:グレッチェン・メン(Gretchen Menn)
ヴォーカル:ノエル・ダウティ(Noelle Doughty)
ベース:アンジェリン・サリス(Angeline Saris)

第3期(2017年~現在)
ドラム:クレメンタイン(Clementine)
ギター:グレッチェン・メン(Gretchen Menn)
ヴォーカル&ブルースハープ:アンナ・クリスティナ(Anna Kristina)
ベース:ホリー・ウェスト(Holly West)

私がレズ・ツェッペリンを大嫌いになった理由

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美しき女性ロッカー(第2期レズ・ツェッペリンのメンバー)たちに囲まれて、鼻の下を伸ばしているジミー・ペイジ(中央)。レズ・ツェッペリンの公式フェイスブックより。

そりゃ私だってレズ・ツェッペリンが出てきた時には、たちまち夢中になってしまいましたよ。理想のメンバーによる理想のバンド、まさに夢のトリビュート・バンドという気がしたものです。われわれはこんなバンドを待っていた!・・・後からこれがさる高名なプロデューサー氏による100パーセントお金儲けのためのプロジェクトだと知りましたが、幻滅どころかかえって感心したくらいです。そのプロデューサー氏とは、どんな人物か知りませんが、さぞかし有能なプロデューサーなんでしょうね。

第1期レズ・ツェッペリン(2005年?~2008年)
ステフ・ペインズ(Steph Paynes) - ギター
リサ・ブリガンティノ(Lisa Brigantino) - ベース、キーボード
ヘレン・デストロイ(Helen Destroy) - ドラム
サラ・マクレラン(Sarah McLellan) - ヴォーカル

ところがそれから何年も経たないうちに、私の夢はあっさりと破れてしまいました。日本語版ウィキペディアにもあるとおり、レズ・ツェッペリンは2008年10月に初来日を果たした後、ギターのステフ・ペインズ以外のメンバーの総入替えを行なったからです。
何で替えるの?理想のメンバーだったんですけど?それも、より優れたメンバーと替えるならわかりますが、必ずしもそうではなかったように、私には思われます。新しいラインアップがまとまったのは、2009年も暮れになってからだったらしい。

第2期レズ・ツェッペリン(2009年~2016年)
ステフ・ペインズ(Steph Paynes) - ギター
シャノン・コンリー(Shannon Conley) - ヴォーカル
ミーガン・トーマス(Megan Thomas)- ベース、キーボード
リーサ・ハリントン・スクアーズ(Leesa Harrington-Squyres)- ドラム

このうち私がどうしても気に食わなかったのは、ヴォーカルの、何かしらビッチな雰囲気のおばはんで、このおばはんがステージの中央に立ってしわがれ声でギャーギャーわめいているのをYouTubeで見ておりますと、パソコンの画面に向かって思わず
「じゃかましわ!!」
と怒鳴りつけたくなるのです。とても残念でした。
こちらが「ビッチなおばはん」ことシャノン・コンリーさんです。悪口ばかり書いてすいません。

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ああ、サラ・マクレランの澄んだ歌声が懐かしい…2007年、ケルン。曲は「死にかけて」。上のゼッパレラの不出来な演奏と比較していただければ幸いです。

第3期レズ・ツェッペリンの評価

というわけで、2010年ごろから、私はレズ・ツェッペリンについて一切の興味を失い、最近までほとんどチェックせずに来ました。ところが先日ひさしぶりにレズ・ツェッペリンのことを調べてみて、上にもちょこっと書いたとおり、またまたメンバー・チェンジが行われたことを知りました。ただし入れ替わったのはヴォーカルとベースだけで、ドラムのプロレスラーみたいな女の子はそのままのようです。

第3期レズ・ツェッペリン(2017年~現在)
ステフ・ペインズ(Steph Paynes) - ギター
マーレイン・アンジェリデス(Marlain Angelides) - ヴォーカル
ジョーン・チュー(Joan Chew)- ベース、キーボード
リーサ・ハリントン・スクアーズ(Leesa Harrington-Squyres)- ドラム

レズ・ツェッペリンは、あのしわがれ声のおばはんがいなくなって、ちょっとはましになったのでしょうか?さっそくチェックしてみました。2017年の「シー・ロックス・アワード(She Rocks Awards)」より、ゲストにドイツのうら若き美人ギタリストYasi Hoferさんを迎えて、曲は「レモン・ソング」。

う~ん、今度のヴォーカルのおばさんは、なかなか悩ましい声を出しますなあ。実際、こんなきれいな女の人が、なかば泣いているような声で「オレのレモンをしぼってくれぇぇ・・・」なんて歌っているのを聴いておりますと、何だかこちらも変な気分になってきます。ま、とにかく、これでレズ・ツェッペリン復活ということで、今後はこまめにチェックしていきたいと思います。

両者の活動状況と他のライバルたち

ゼッパレラ(Zepparella)とレズ・ツェッペリン(Lez Zeppelin)の現在の活動状況ですが、公式サイト等によりますと、両者とも巡業日程がぎっしり詰まっている模様です。特にレズ・ツェッペリンは7月から8月にかけてオーストラリアへ遠征に出るようで、相変わらず世界を股にかけた活躍ぶり。またいつか日本にやってくる可能性も無きにしもあらずです。

さて、メンバー全員が女性のレッド・ツェッペリン・トリビュート・バンドはもちろんこの二つだけではありません。レディ・ゼップ(Lady Zep)もその一つ。ヴォーカルのメリッサ・ジェーン(Melissa Jane)はレディ・ゼップ以外に自分のバンドを二つ持っているそうです。

メリッサ・ジェーン。彼女自身の公式サイトより。

ファム・ツェッペリン(Fem Zeppelin)も活動中のバンドです(ちなみに'Femme Zeppelin'という紛らわしい名前のバンドがありますが、こちらは全員女性ではなく、ヴォーカルだけが女性のトリビュート・バンド)。

このドラマーはイケると私は思いますが、いかがでしょうか?

他にもありますが、また触れる機会があると思うので、その際にご紹介しましょう。とにかく皆さん互いに切磋琢磨して、レッド・ツェッペリンの音楽の魅力を次世代に伝えていっていただきたいと思います。

おすすめはソロ・アルバム

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左からグレッチェン・メン(Gretchen Menn)、エミリー・パレン(Emily Palen)、キルステン・メン(Kirsten Menn、グレッチェンの妹)。グレッチェン・メンの公式サイトより。

コマーシャルのコーナーです。
まずはレズ・ツェッペリン。ご承知のとおり、これまでにスタジオ録音のアルバムを2枚出しています。
次にゼッパレラ。こちらは今日までにライブ・アルバムが3枚、スタジオ録音のアルバムが1枚出ています。1枚目と2枚目ではアンナが歌っており、3枚目と4枚目ではノエルが歌っています。
さてこの中で私のお薦めはというと、残念ながら一枚もありません。これはどのバンドもそうですが、いかに実力派と言えども、所詮はカバーバンドなので、正直言って音だけ聴いていてもつまらないからです。そこで今回はこちらの作品をお薦めさせていただきます。

Hale Souls

Hale Souls

 

ゼッパレラのギタリスト、レッチェン・メン(Gretchen Menn)のソロ・アルバム『ヘイル・ソウルズ('Hale Souls')』です。これなら自信を持ってお薦めできます。曲目は以下のとおり。

1. Scrap Metal
2. Oleo Strut
3. Déjà vu
4. Valentino's Victory Lap
5. Fast Crowd
6. Is It Not Strange
7. Captured Barricade
8. Walking Shadow
9. Struck Sleepless
10. Fading

全曲インストゥルメンタルで、レッド・ツェッペリンの世界とは何の関係もない世界が展開されております。実際、こんな洗練された表現のできる人が、レッド・ツェッペリンのような一種泥臭い(?)音楽に何で興味を持たれたのか、不思議なくらいです。
このうちでさらにおすすめはというと、4曲目の「ヴァレンティノズ・ヴィクトリー・ラップ」ですかねえ。表現されているのは狂おしい、エクスタティックな歓喜の情です。またこれのプロモーション・ビデオが傑作で、グレッチェン・メンの美しい肉体がマッド・サイエンティストによって改造されて、背中に大きな翼を植え付けられてしまうのです。

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うーん、グレッチェン・メンには、やはり天使の白い翼よりも、こういう鋼鉄製の猛禽の翼の方が似合うんでしょうか?
「ヴァレンティノズ・ヴィクトリー・ラップ」のプロモーション・ビデオ。

プロモーション・ビデオは彼女の公式サイトで他にも多数公開されておりますので、ぜひご覧になって、アルバムのご購入をご検討ください。

最後にゼッパレラの動画をもう一枚貼っておきます。2017年7月、ゲストにマルコ・ミネマン(Marco Minnemann)を迎えて。曲は「アウト・オン・ザ・タイルズ」。

追記(2018年11月)

これまた実力派のトリビュート・バンド「ハンマー・オブ・ザ・ブローズ(Hammer of the Broads)」が活動を再開した模様です。何やら恐ろしげなおばさんたちですが、ベースの女の子は可愛い。ちなみにこのバンド名、直訳すれば「娼婦たちの鉄槌」となります。曲は「フォー・スティックス」。