一天一笑さんからレビューをいただきましたので掲載します。一天一笑さん、いつもありがとうございます。
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『光秀曜変』岩井三四二著・光文社を読んで。
俳優長谷川博己が2020年大河ドラマ「麒麟が来る」で、明智光秀を主演する事が少し前に報道された事を受けて、読み返しました。
明智光秀は何故、本能寺の変をおこしたのか?
何故織田信長を弑逆したのか?
よく語られる題材に、岩井三四二が独自の視点から挑む。
本能寺の変は明智光秀が、認知症により判断を誤った事によって引き起こされた(「信長を殺さねば、俺が殺される」のせん妄状態)。
主人光秀の、痴呆症状を認識した側近の「天下に隠れのない惟任日向守のお頭も、やっと人並になって参りましたかな」の台詞に、何とも哀切を感じます。
そして、物語は不可逆的に、光秀の人生を天目茶碗に模した茶会へと進みます。
参加メンバーがまた曲者揃い。
目次も陶芸の手順通りに配置されています。
登場人物の情感と歴史的事実が、細やかに書き込まれた力作です。お薦めします。
一天一笑