魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

ジーナ、ガブリエル、サッフォー、アティス

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『姫戦士ジーナ』シーズンⅣ第22話より、アマゾンの女王エフィニー(Ephiny)の死を悼むジーナ(右)とガブリエル。元画像はこちら

『姫戦士ジーナ(Xena: Warrior Princess)』というひと昔前のアメリカのテレビドラマについての解説はウィキペディアに譲ります。私自身も見たことはなく、よくは知りません。ただここでは、
1)古代ギリシャを舞台に、
2)女戦士ジーナ(Xena)と女吟遊詩人ガブリエル(Gabrielle)の仲良しコンビが、
3)冒険の旅を続けるという映像作品である。
これだけ押さえておけばよろしいでしょう。それともう一つ、本作はいわゆる百合要素のある作品で、同性愛者のファンも多く、ドラマが完結してから二年後の2003年、ジーナ役のルーシー・ローレスは『レズビアン・ニュース(Lesbian News)』誌のインタビューに応じて、ジーナとガブリエルはレズビアンカップルに間違いないと断言した由、先のウィキペディアの記事にあります。ちなみにテレビ局側はこの件(ジーナとガブリエルのセクシュアリティに関する件)については肯定も否定もしておりません。

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ルーシー・ローレスのインタビュー記事が掲載された『レズビアン・ニュース』2003年1月号の表紙。元画像はこちら

さて、先日 cygnus_odile さんに教えてもらったリンクをたどって、サッフォーに関するネタをあさっていたところ、たまたまこの『姫戦士ジーナ』のファンフィクションに行き当たりました。サッフォーの登場する小説はどうもたくさんあるようで、私が読んだのはこれです。なおテレビドラマ本編にはサッフォーは登場しないようです。
まずこの題名ですが、'The Rift'は「仲たがい」ですが、副題の方はどう訳したらいいんでしょうね?「サッフォーは大正解のサーファー女だった」とでも訳せばいいのでしょうか?しかし小説の中ではサッフォーはサーフィンはしません。アティスがやるのを見ているだけです。
あらすじは、ある苛酷な試練の後、すっかり気まずくなってしまったジーナとガブリエルが、たまたまレスボス島を訪れ、サッフォーのもとに客となって、ドタバタ騒ぎに巻き込まれてゆくうちに、またすっかり仲直りしてしまうというものです。
このドタバタ騒ぎというのが一種の修羅場で、ジーナ、ガブリエル、サッフォー、アティスの4人が入り乱れての「女の戦い」で、実際にガブリエルとアティスは取っ組み合いになるので、読んでいる方はハラハラします。
作中、サッフォーの詩が出てくるところが二ヶ所あり、二ヶ所目がゴンジラ(Gongyla)という少女を歌った詩で、ガブリエルはこの少女と例の「絶望の岩」付近で出会います。ちなみにうかつな話ですが、このリュウカディア(ルカート)の岬というのは、レスボス島ではなくて他の島にあるのですね。知りませんでした。それを話の都合上レスボスに持ってきた由、作者は謝罪していますが、別によろしいでしょう。ボードレールの詩でもそんな風になっていましたし。
これは日本でもそうですけど、ファンフィクションとか書いている人は、みんな文章が達者ですね。何でオリジナルを書いて作家を目指さないのか、不思議です。
というわけで、面白そうだと思った方は、どうぞご鑑賞下さい。・・・ただし「18禁」ですがね。

第1話「過去の罪」より、ジーナとガブリエルが初めて出会うシーン。1995年9月4日放映。

How Xena and Gabrielle Met | Xena: Warrior Princess