魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

えせイタリア風ソネット「洋式便器のうた」他一篇

「和式水洗便所」日本語版ウィキペディアより。

洋式便器のうた

まっしろな椅子のかたちをした便器 それは洋式
 まっしろで すべすべとした道を行く 指のよろこび
 いけにえをむさぼらずにはいられない いけない遊び
心臓を真っ赤に燃やすこの儀式 まるで葬式
わたしたち 同志を意識 しきたりはすべて旧式
 げらげらと笑う性器が店びらき 売るものは媚び
 ひまだから ひまだからとてもてあそび 心のびのび
便器とは生き血をすする吸血鬼 それは常識

丸見えのこちらは和式 あられもない開脚姿勢
 まっしろな少女のお尻 まっしろな便器すれすれ
わからない女はアメをしゃぶらせて ムチで説得
血便に息も絶え絶え 何という尊い犠牲
 美に飢えた世界に向けて店びらき だから馬鹿売れ
便器とは生き血をすする吸血鬼 ついに納得

洪水の森

今日もまた 店をひらいていた女子が 店をたたんだ
 天分の乏しい女子は だまされた果てに子作り
 天分の豊かな女子は だまされてみずから身売り
ぼろもうけした瞬間に 生活は荒れてすさんだ
この森は 色とりどりの鳥が住み 狩りが盛んだ
 若者は 寝ても覚めても 耳もとに鳥のさえずり
 馬鹿者は 天使の羽根に魅せられて 悪魔とちぎ
わたくしは 少女の肉を食いすぎて ツケがかさんだ

悲しみの津波が 森を飲み込んで 記憶から消す
 洗浄のための洪水 代償はあまりに高く
引いてゆく水の中から現れる 聖なる遺跡
歴史家は記憶の外科医 指先に最強のメス
 湖は沈む夕陽に照らされて あまりに紅く
血の海に浮かぶ人魚の性器こそ まさに宝石