魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

レッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)『プレゼンス(Presence)』の歌詞和訳

アキレス最後の戦い(Achilles Last Stand)

ある四月の朝のこと
彼らは俺たちに「行け」と言った
振り返ると君の笑顔があった
待ちに待った時が来たんだ
いつも夢見てきた夢を
今は身をもって生きるこの楽しさよ
どんな歌を口ずさみながら
俺たちは遂にふたたび帰還することだろう

俺たちは案内人たちに引き渡された
奴らは知っていると言った
長年行く者もなかった道また道を
そうしてこの穴にひそむ悪魔のことを!
出発しよう
熱砂の国へ 別の時代へ
如何なる者の心眼にも
未だ映じたことのない夢と接触するために

太陽へ向かって 南へ 北へ
小鳥たちの飛び立つ時が来た
拘束の手かせ足かせは
微塵となって砕け散った
さあ 風に乗ろう
どよめきの上を 空気を踏んで歩こう
大声で笑おう
群衆の中を横切って踊りながら

一人の男を探している
その彼方を差す指と 巨人のごとき歩みは
俺たちの足を石化するあの異形の雲の影から
俺たちを守り導く
もしもひとつの鐘が鳴るなら
それは一人の王のためのささやかなお祝いだ
重い足を引きずりながらも
俺たちは誇らしげに顔を上げて 胸を躍らせることだろう

永遠の夏の輝きを身に浴びながら
ともに旅した日々
日暮れて道遠く
君はもう歩けそうにない
ああ かの甘美なるリフレイン
それは心を和らげ 苦痛を鎮静する
それとも ここにとどまるか
今は眠って ふたたび立ち上がるために

転々と流浪する
ひと息つける場所を探して
なぜなら かのアキレウスの豪腕は
大空さえ持ち上げるのだから

道はある 道はある 道はある 道はある 道はある…

なぜなら かのアキレウスの豪腕は
大空さえ持ち上げるのだから…

*「ハンマー・オブ・ザ・ブローズ(Hammer of the Broads)」によるカバー。このトリビュート・バンドについてはこちらの記事もご参照ください。


Hammer of the Broads performing Achilles Last Stand


フォー・ユア・ライフ(For Your Life)*1

「あなたひとすじ」と君は言った
レモンを片手にね*2
その陳腐なセリフも含め
演技丸出しなところが君の悪い癖だ
君はしばらく身を引かなければならなかった
たぶん次の機会には 俺を助けてくれるつもりで
そして彼女は言った
「ねえ お料理がしたくないかしら」
意外だった
フライにするには忍びなかった

地獄落ちを宣告された人々の街で
彼女の絶叫を耳にした
(ベイビー 地獄が待ってるぜ)
奈落の底まで堕ちたなら
次の停留所はアンダーグラウンド
(ハロー アンダーグラウンド!)
酒とバラの日々は未だ終わらず
運命が配るカードは人を破滅へと導く
そこで俺は言った
「君にその気はなかった
君はただ無計画に暴走してしまったんだ」と

(本当にやりたいのか?)

俺にサービスする気なら
心のこもったサービスをしてくれないか
恋するふりをするなら
全力で恋するふりをしてくれ
擬似恋愛がしたいなら
君自身のために 本気で擬似恋愛をすることだ
君が擬似行為をする時
それは命がけの擬似行為なんだよ

(やれよ 本当にやりたいのなら)

君を救いたい
けれどどうすることもできない
これまでも ベイビー
俺がしてやれることは何ひとつなかった
クリスタルの癒しに凝って*3
有り金を巻き上げられて
それでも男たちが優しいうちは
流れに身をまかせていればよかった
ステージが空になった今こそ
ベイビー 幕を下ろして
ショーを終わろう
意外だった フライにするには忍びなかった
俺もまた無計画に暴走した
命がけで 命がけで と叫びながら…

ロイアル・オルレアン(Royal Orleans)*4

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ホテル「オムニ・ロイヤル・オーリンズOmni Royal Orleans)」。expedia.comより。

一夜限りの女よ
使い方に気をつけろ
一晩中持ちこたえさせるんだ
好きなのを選んでいいが
注意深く見極めてくれ
さもないと 痛い目に会う

俺の知っている男が
ルイジアナを訪れて
みずから悪しき炎を生ぜしめた
彼はある夏の日
降り注ぐ日ざしの中で
可愛いスザンナちゃんの左右の頬ひげにキスをした

ここからが面白い
街角のホテルに
彼らは一夜の宿を求めた
ところが情事が盛り上がって
水をぶっかける前に火の手が上がった
あわれな子猫ちゃんのひげが部屋に火を放ったんだ

バーボンストリートを行けば
一目瞭然
俺の友人たちが夜の街を駆けずり回っている
ほとんどいたるところで
クローゼットが丸見えになるまで
俺の髪を見事に結い上げながら
ひげを剃りに走り回る

ニューオーリンズの女王様よ
この話をする時には気をつけろ
他人が聞いても違和感がないように
俺と出かける時には
俺の連れと一緒に そっくり返って歩け
彼女にバリー・ホワイトみたいな口の利き方をさせるな

だから一夜限りの女よ
使い方に気をつけろ
一晩中持ちこたえさせるんだ
好きなのを選んでいいが
注意深く見極めてくれ
さもないと 痛い目に会う

俺の罪(Nobody's Fault but Mine)

どうせ私が悪いのさ
どうせ私が悪いのさ
今宵 わが魂の救済を祈った
どうせ私が悪いのさ

悪魔が私に転がせという
悪魔が私に転がせという
今宵 どうやってこの丸太棒を転がすのか
どうせ私が悪いのさ

兄貴が私に銅鑼を見せる
兄貴が私にディンドンを見せる
今宵 どうやってこの銅鑼を蹴飛ばすのか
どうせ私が悪いのさ

サルが背中に乗っている
サルが背中に乗っているんだ
今宵 私にあやまちを犯させようとして
どうせ私が悪いのさ…

キャンディ・ストア・ロック(Candy Store Rock)

おおベイビー
俺みたいな男が欲しくないかい
俺は人並みに優しい男だよ
おおベイビー
俺は君の青い目をのぞきこむ
俺の目力は人並み以上だよ

おおベイビー
君が街を行く姿は
食べてしまいたいくらい可愛い
おおベイビー
こんなに美味しそうな女の子は見たことがない
今すぐ欲しい 一粒残らずほおばりたい

おおベイビー
俺を満足させておくれ
俺は今このお店にさよならの投げキスをする
おおベイビー
商品を売るのは包装紙ではないよ
君の白い歯の一枚で 俺の口はいっぱいになる

おおベイビー
君は蜜蜂のようにちくりと刺すね
俺は君の蜜が好きで 君の蜜は俺が好きだ
おおベイビー
君のびんに 俺のスプーンを入れよう
あんまり頑張らなくてなくていいよ 俺がびっくりするからね

おおベイビー
銀のプレートの上のシュガー・シスター
ひとくち欲しい もう待てない
おおベイビー
ほら 俺の手はふるえているだろう
不器用でごめんね でもとても美味しい
とても美味しい…

何処へ(Hots on for Nowhere)

一瞬 頭に血がのぼった
いや 一日中のぼったままだった
これまでやってきたことはすべて無駄だった
振り返ると涙がこぼれた
たとえ俺がぶっ倒れるようなことがあっても
友人たちは無視するだろう
機が熟しても 熟し過ぎても
彼らは何もしてくれないとわかった

近隣国のどこでもない場所で
女を買おうと街角に出た
すると背骨を激痛が走った
鏡の中の顔は爺さんだった
俺はトナカイをそりにつなごうとしてあたりを見まわした*5
楽しい一日を過ごそうとして
雪だるまを探してきょろきょろした*6
驚いたことに 彼は溶けてなくなっていた

天体の粛々たる運行につれ
わが潮汐の中で引き潮が猛り狂った
内なる太陽は西へ傾き
両手の中の希望は泥と化した
俺は足もとをクローバーでいっぱいにしてくれなどとは言わない
みずからの悲運をかこちもしない
ただ我が亡きがらを深く 深く埋めてほしい
この話を君たちの最高の酒の肴にしてくれ

達成への道なかばにして迷子になって
賢者たちに学びながら
しんそこ悩み苦しんだ挙句
俺は初めて素直に泣けた
今 俺は神に感謝している
みんな たまには立ち止まって考えてくれ
地上を歩くなら
まっすぐ歩け
それともオールのないボートで陸に着く気か? 

一人でお茶を(Tea for One)

一日の時が経つのに
数日かかる気がする
一日の時が経つのに
数日かかる気がする
ベイビー あなたからの連絡を待っていると
一分が一生のように長く感じられます

腰かけて時計を見ながら
あなたからの連絡を待っています
両手を振りながら 両手を眺めながら
やがてそれが涙で見えなくなるまで
一日の時が経つのに
数日かかる気がする
ベイビー あなたからの連絡を待っていると
一分が一生のように長く感じられます

あなたのために歌をうたおうとして
あなたの口癖を思い出す
「ベイビー この一杯の紅茶は二人のためのもの
他の男たちと遊ぶことはあっても 最後はあなたなのよ」と
一日の時が経つのに
数日かかる気がする
ベイビー あなたからの連絡を待っていると
一分が一生のように長く感じられます

俺はかつて あなたのような恋人がいることで
他の男たちに対して鼻が高かった
けれど今は自分からあなたを置いてきた
取り返しのつかないことをしました
一日の時が経つのに
数日かかる気がする
ベイビー あなたからの連絡を待っていると
一分が一生のように長く感じられます


以下の注の多くはウェブサイト「アーバン・ディクショナリー(Urban Dictionary)」に拠るものです。

*1:いわゆる“coke whore”(コカインを買う金を稼ぐために体を売る女の子)についての歌。"Tight But Loose" という本に収録されたプラント自身のコメントによれば「これはロック界の暗黒面に触れた曲だ。『シック・アゲイン』のころにはあんなに素晴らしかった少女たちが…突然、『クリスタルの癒し』にのめりこんで、有り金を巻き上げられるようになったのさ」

*2:ここでの「レモン」は何か薬物(おそらくマリファナ)を指す。

*3:ここでの「クリスタル」は「クリスタル・メス」(覚醒剤)ではなく、コカインの意。

*4:「ロイヤル・オーリンズ・ホテル('The Royal Orleans Hotel'、現在の'The Omni Royal Orleans')」は、ツェッペリンアメリカツアーの際、好んで訪れた場所で、彼らはそこに泊まって周辺のオカマバーに遊びに行くのが好きでした。それはオカマが好きだったというよりも、そこのオカマたちが「むやみにサインをねだらなかったから」――と言うのはつまり、相手がスーパースターだろうと特別視せず、気さくに接してくれるから好きだったということです。
さて、1973年のアメリカツアーの際、ジョン・ポール・ジョーンズはこのホテルのバーで一人のオカマを(彼女が男性だとは知らずに)ひっかけて部屋に連れ込み、あろうことか煙草の火をつけたまま眠ってしまった。当然火事となり、消防車が駆け付けました。「そりゃびっくりしたよ。目が覚めると僕らは水びたしで、消防士さんたちがぐるりと周りを取り囲んでいたんだからね」とは本人の弁。

*5:「トナカイ(reindeer )」=お尻の大きい、セクシーな女の子。

*6:「雪だるま(snowman )」=コカインの売人。