祝「from now on」公式MV一般公開
上の通り、BAND-MAIDの「from now on」の公式ミュージックビデオがようやくYouTubeの公式チャンネルにアップされました。これを待ち焦がれていたのは、この曲のライブ映像はすでにYouTube上にたくさん投稿されておりますけれども、私がこちらの記事を書いて以降、下のような動画まで出現したからです。
これは何と複数のファンカムをつなぎ合わせて作られたマルチアングル作品となっている。非公式の海賊版動画で、ここまでやってええんかい?もっとも、このリンクをここに貼っている私自身もアレですが…このような事態をBAND-MAIDの公式チャンネルは指をくわえて眺めているつもりなのか?などと要らぬ心配をせにゃならん羽目に陥っておりましたので、このたびの公式MVの一般公開はまことにめでたい限りです。
それにしても、上の二つの動画を見てあらためて思うことは、このフェミニンなステージ衣装にしてこのパワフルなパフォーマンス…ただただ凄いの一語に尽きる。BAND-MAIDは本当に凄いバンドだと思いますね。
「Manners」の歌詞
BAND-MAIDのナンバーで、インスト曲を別とすれば、個人的には下の「Manners」という曲が、今のところ一番気に入ってゐる。
どこが気に入っているかというと、この比較的ゆったりしたテンポと、ブルージーな曲調と、くそかっこいいベースの音と、「あー、ああああ」とゆーコーラスの脱力した感じが好きなのですが…
こちらの記事に「日本語でもロックが可能になったらしい」というようなことを書きましたけれども、ただ英語のロックナンバーと日本語のロックナンバーとでは、かなり歌詞の内容が違うという点は注意しておく必要があると思います。英語のロックナンバーというと、私の頭に浮かぶ範囲では、大体において、相当けしからんというか、不健全というか、退廃的なものが多いように感じますね。たとえばこの「Manners」の歌詞のように、ほとんどひたすらただ「ガンバレー、ガンバレー」と連呼しているだけみたいな歌詞の曲は、あまり例を見ないのではないでしょうか(私が知らないだけかも知れませんが)。上に「ブルージーな曲調」と書きましたが、確かに曲調には退廃的な雰囲気があるのですが、歌詞の内容は超前向きで、超健康的なのです。こういう歌詞を英語圏の人々は理解できるか知らん?これはたとえば同じBAND-MAIDの「Choose me」という曲の歌詞について、あの可憐な大和撫子の切ない恋心が外国人に理解できるか知らん?と疑問に感じるのとは別の話になります。
さらに面白いのは同じ日本産の他のヘビーメタル系ガールズバンドにもこのような精神主義的というか、根性論的というか、「人生の応援歌」みたいな歌詞の曲が多いことです。そこで思い出すのが、どこで読んだのか忘れましたが、海外のメディアによるBAND-MAIDへのインタビューで、「日本のように女性の地位の低い国から、どうしてあなた方のような輝かしいガールズバンドが現われるのか?」といった変な質問があったように記憶しますが、私見ではこれは愚問もいいところで、女性の地位が低い日本だからこそ、このようなガールズバンドが現われるのです。彼女たちは抑圧されている。「自分たちはナメられている、見下されている、踏みつけにされている」と強く感じている。だからこそ、これを跳ね返そうとするエネルギーが内部に蓄積されてゆくのですね。それがいったん解放された際のパワーたるや、既得権益の上にあぐらをかいているわれわれ男性の想像を絶するものがあるでしょう。その一端が上に挙げたもろもろの楽曲の歌詞や、エネルギッシュなパフォーマンスにうかがわれるのだと言ってもいいかも知れません。