魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

『レッド・ツェッペリンⅢ(Led Zeppelin Ⅲ)』の歌詞和訳

移民の歌(Immigrant Song)

氷と雪の国からやってきた
真夜中の太陽が燃え 熱い泉が流れているところから

神々の鉄槌は
船を新しい陸地へと押しやってくれるだろう
大軍勢と戦おう
歌いながら 叫びながら
「いざ行かん ヴァルハラへ」と

櫂で波をかきわけて 海を渡る
西の海岸にたどり着くその日まで

氷と雪の国からやってきた
真夜中の太陽が燃え 熱い泉が流れているところから

緑の野を探し求めて
俺たちの行く先々で血が流れ
刃向かう連中はことごとく滅ぼした
俺たちが君たちの真の支配者オーバーロードなのだ

櫂で波をかきわけて 海を渡る
西の海岸にたどり着くその日まで

もう戦いは終わりだ
この荒れ果てた街々を建て直すんだ
平和と信頼とがあればふたたび繁栄の日々が訪れよう

ゼッパレラ(Zepparella)の新しい公式プロモーション・ビデオ。2019年1月公開。

Led Zeppelin Immigrant Song by Zepparella

 

フレンズ(Friends)

満月と不気味な雲の写真
この画像は「フリー写真素材ぱくたそ」さんからのもらいものです。

まぶしくて何も見えないのに
見れば真っ暗な夜が燦々と光り輝いているのに
立ち止まれない
登り続けていかなければならない
私が知っていたものを求めて
友だちがいて 彼女は私に言ってくれた
「私たちは友だちだ あなたはもう一人ぼっちではない」と
それがいま私を捨てていなくなってしまった
私が知っていたものを求めて

(コーラス)
君たちに教えてあげよう
君たちに出来るもっとも偉大な行ないとは
落ち込んでいる赤の他人と ひとつの微笑みの取り引きをすることさ
ひどく簡単なことなのだが

道端で泣きわめいている男を見た
一人の友もいないのか 君にも欠点があることは
紛れもない事実だ いくら探し求めても無駄だろう
君が知っていたものを求めて
だからいつも誰かが君を必要としているよ
彼らを悲しませるな たとえそれが君にとってはやりきれないことだとしても
いつの日か 君も彼らの前から姿を消してしまうかも知れない
君が知っていたものを求めて

(コーラス くりかえし)

1971年の大阪公演での貴重なライブ音源。2019年9月29日、インスタグラムに投稿されたペイジのコメントによりますと、この夜、アコースティック・セットが終わってもボーナムが帰って来なかったので、急遽アコースティック・ナンバーを1曲追加することにして演奏したのがこの曲で、この曲をライブで演ったのは後にも先にもこれ一度きりだったということです。
だとすると、ここでティンパニーか何か打楽器を叩いてるのは誰なんでしょうね?


Friends - Led Zeppelin (live Osaka 1971-09-29)
www.barks.jp

 

祭典の日(Celebration Day)

顔から笑いが消えてゆく
不安を抑え 包み隠していたからだ
どうやら それは
誰の目にもはっきりしてきた…

今や彼女は声を嗄らして
敗走している勝利者たちを応援する
そうして彼女は心乱れながらも
彼女たちの時代が短く もはや去るべき時が来たことを思い知るのだ

(コーラス)
うれしいな うれしいな
私はバンドに加わろう
この勝利を祝って歌うんだ 踊るんだ
『約束の地』にたどりついた

彼女はその住み家について
人々が新しい防御策を検討する声を聴く
ところが扉が一気に打ち破られた今
彼女にとって 万事は休した

その名はブラウン ブラック あるいはホワイト
君らがよく知っている女さ
君らは彼女の最後の叫びを聴くだろう
勝利者たちが弔いの鐘を鳴らす時に

(コーラス くりかえし)

さてここに列車が止まっていて
君らが行きたいところを目指している
ところが君らがぐずぐずしているうちに
乗車料金が1ドルも跳ね上がってしまった

歩いても行けないことはないが
時間がかかることは確かだ
それがあんまり遠くに見える時
君らは手をよじり合わせて 呻くだろう…

貴方を愛し続けて(Since I've Been Loving You)

朝の七時から
夜の十一時まで働いて
俺の暮らしは惨めです
こんなはずではなかったのに
俺は最高の道化師だった
出来る限りのことはやってきました
なぜならあなたを愛しているから…俺はどんなにあなたを愛しているかわからない…
だけど あなたを愛し続けて
俺はもう少しで気が狂ってしまいそうです

みんなが俺に言うのです
「あれは悪い女だ あいつとは二度とかかわらない方がいい」と
だけど聞いて下さい お願いだ
俺はこれでも 出来る限りのことはやってきたのです
朝の七時から
夜の十一時まで働いて
俺の暮らしは惨めです
こんなはずではなかったのに
ああ あなたを愛し続けて
俺はもう少しで気が狂ってしまいそうです

俺は泣いているのです…

俺の涙は雨のようだ

あなたには聴こえませんか
この雨の降る音が

俺があなたの家まで押しかけていった日のことを覚えていますか
あなたは俺に「帰れ」と言えるほどしたたかな女だった
俺は玄関の戸を開ける時 裏口の戸が閉まる音を聴いた
あなたはもう他の男のものになってしまったに違いない
朝の七時から
夜の十一時まで働いて
俺の暮らしは惨めです
実に惨めです
ああ あなたを愛し続けて
俺はもう少しで もう少しで気が狂ってしまいそうです…

シンガポールのロックバンド「サイモン・ヨン・バンド(The Simon Yong Band)」によるカバー。実は「アイアン・メイデンズ(The Iron Maidens)」という、アイアン・メイデンの有名なカバーバンドがありまして、それへの前座として出演されたもののようですが、真打ちを食ってしまいかねない大熱演です。とにかく私はこれを聴くと泣けて泣けて仕方ありません。

 

アウト・オン・ザ・タイルズ(Out on the Tiles)

街の目抜き通りを歩きながら ひたすらこの歌をうたう私だ
すると行く手を横切る列車のとどろきは その見事な伴奏となる
それは歌詞が明快で 声が強烈で 実に痛快な歌なのである

私は単純な男で その日その日を生きてゆく
ひと筋の日ざしが次々に雲を溶かし それで暗い気分も晴れる
こんな日に あなたと手をつないで ぶらぶらしていられれば 私は何も言うことがない

(コーラス)
私があなたに求めるもの それはただただあなたの愛なんだ
あなたが私に与えてくれねばならぬもの それはただただあなたの愛なんだ

生きていることがうれしくて 全世界に「うれしい」と叫びたい
私に可愛い女が出来て 彼女が「私の男」と呼んでくれる
私がしなければならないことはただ一つ 他のどんな男にも捧げられない愛を 彼女に捧げることだ

真っ昼間の街頭に立ち 片手を振り上げてみる
人々が行ったり来たりしていて 私のライバルたちが勢揃いする
驚いたことに 彼らは走り出したので これはレースだから 私も全力疾走しなければならない

(コーラス くりかえし)

オレゴン州ポートランドブルーグラス・バンド、「ザ・スチューデント・ローン・ストリングバンド(The Student Loan String Band)」によるカバー。2014年3月公開。


www.youtube.com

 

ギャロウズ・ポウル(Gallows Pole)

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ギャロウズ(絞首台)の図。ウィキメディア・コモンズより。

お役人さま お役人さま
今しばらくお待ち下さい
私の友人たちがやってくるのが見えるのです
遠いところから 馬に乗って

友よ 銀貨はあるか
友よ 金貨はあるか
君たちは何をもたらしてくれたのか
私をギャロウズ・ポウルから救うために

『銀貨は一枚もない
金貨も一枚もない
俺たちは それは苦しい暮らしをしているので
君をギャロウズ・ポウルから救うことができない』

お役人さま お役人さま
今しばらくお待ち下さい
私の兄がやってくるのが見えるのです
遠いところから 馬に乗って

兄さん 銀貨はあるか
兄さん 金貨はあるか
あなたは何をもたらしてくれたのか
私をギャロウズ・ポウルから救うために

『わずかだが 銀貨があるよ
わずかだが 金貨もあるよ
わずかだが 私は何もかも持ってきたよ
お前をギャロウズ・ポウルから救うために』

お役人さま お役人さま
あちらをご覧下さい
私の妹がやってくるのが見えるのです
遠いところから 馬に乗って

妹よ お願いがある
この方の手を取ってくれ
この方を木陰のあずまやへお連れして
この方のお怒りから 私を救っておくれ

お役人さま お役人さま
あなたは笑っていらっしゃる
今こそ私のいましめを解き
私を遠いところへと 馬に乗って行かせて下さい

『なるほど いい妹さんだ
彼女は俺を興奮させた
彼女は俺を存分に燃え上がらせてくれた
貴様をギャロウズ・ポウルから救うために

『お前の兄さんは俺にお金をくれた
妹さんはからだまで捧げた
だが俺は 笑いながら この綱をグイと引いて
貴様がギャロウズ・ポウルからぶら下がるところを見とどけよう』

タンジェリン(Tangerin)

夏のひと日を旅して
今日もまた尋ね人は見つからず
私の心は痛む

タンジェリン
タンジェリン
夢の中で出会った少女と 生き写しの少女
私は彼女の男だった
彼女は私の女王だった
千年の時が流れた

このかすかな記憶が
彼女の心の奥底にまだ残っているだろうか
そうしてふたたび選んでくれるだろうか
私と同じ道を

ザッツ・ザ・ウェイ(That's the Way)

どう言っていいかわからないけれど
僕はもう君と遊ぶ気がしない
僕はお母さんに言われた通りにしないといけないんだ
友よ 隣に住んでいる少年よ…

僕はみんなが言っていることが信じられない
君は髪を伸ばそうとしているんだね
僕はここで一日中机に向かってお勉強することで満足さ
君は街の暗い側にいるんだ

外に出ると 僕は君が歩いているところを見る
どうして君の目は僕を見ないの
君が新しい遊びを見つけたなんてありえない
お母さんは 僕に何と言ったっけ

(コーラス)
「その調子 その調子」とお母さんは言うのだった
「その調子 それがお前の本来の姿だから」と

昨日 僕は君が川のほとりにたたずんでいるところを見た
目に涙をいっぱい溜めてね
汚い水のおもてに あらゆるお魚の死骸が浮かんでいた
その光景が 君にはつらかったんだね

昨日 僕は君が小さな花々に口づけしているところを見た
だけど すべて生きとし生ける者は 死ぬために生まれてくるんだ
だから僕は何も心を動かすには及ばないと言う
すると君はただ棒立ちになって泣くだけだ

僕はどう言っていいかわからない
君がそっぽを向いて 耳を貸してくれないからね
しかし今は 君が見ているものを もう一度見直す時だ
それは君の本来の姿だろうか

(コーラス くりかえし)

スノウドニアの小屋(Bron-Y-Aur Stomp)

スノウドニアの小屋(ブロン・イ・アー)の写真
2004年に撮影されたブロン・イ・アー。日本語版ウィキペディアより。


ああ お前は笑っているね
それは自然なことさ
木の枝が葉っぱをつけるようにね
ああ 俺たちがともに過ごした時間
俺は恋の歌をうたい
ずっと笑っていた 底抜けに楽しかった

(コーラス)
田舎道を歩きながら
俺は歌をうたう お前は俺が呼ぶ声を聴く
木立を渡る風の声は
俺たち二人の仲の良さを 母なる自然に語るんだ

ああ 太陽の輝きに感謝しよう
でなければ 俺たちの行く手は真っ暗闇だ
俺たちの選ぶ道はいつも正しいのさ
ああ お前の愛は強いかい
多くの愛が破局を迎える中で
俺たちの愛だけは いつまでも いつまでも続くだろうか

(コーラス くりかえし)

マイ・マイ
ラ・ダ・ラ
おいでよ すぐそこだから
世界中の友だちに伝えておくれ
ブルー・アイド・マールほど素敵な仲間はいないとね
ねえ みんな 聞いておくれよ
ここには 都会の暮らしにはないものがあるんだよ…

俺は確信している
こいつはいとも純粋な友情だ
俺のドアの周りには 天使たちの歌声が流れている
なすべきことはただ一つ
お前とナチュラル・ライフを過ごすことだ
お前は俺が出会った最高の犬ころだからね

お前が年老いて 目がかすんできても
オールド・シェプの悲劇はもう二度と起こらないさ
俺たちはやっぱり同じ田舎道を歩いていて
俺は同じ古い歌をうたい お前は俺の呼ぶ声を聴くだろう

ストライダー!

ホワット・キャン・アイ・ドゥ(Hey Hey What Can I Do) *1

日本版シングル『移民の歌』のジャケット写真。
この画像はDiscogsさんから拝借しました。お許しを。

俺の奥さんの話をします
彼女は美人です
彼女は俺の理想の女性です
「いつかほんとの奥さんになってあげる」と彼女は言います
俺はほんとに彼女が好きなんです
そばにいるだけで 胸が苦しい
この想いを 伝えられたら…

(コーラス)
俺の奥さんは いつも退屈がっている
俺の奥さんは 誰とでも寝る
俺の奥さんは いつもお酒の匂いをさせている
俺の奥さんは 誰とでも寝る

日曜の朝 教会に行ってみると
男たちが一列に並んでいる
奴らは主に祈りを捧げに来るのではない
俺の奥さんを予約しに来るんだ
やがて日が傾き 夕暮れが訪れ
人は皆 愛する人と共にいるころ
俺一人が街中をほっつき歩いている
俺の浮気な奥さんを探して…

(コーラス くりかえし)

酒場では 男たちがギターを奏で
飲んで歌って 昔話に花を咲かせている
そこで俺の奥さんが夜勤に精を出している
彼女はいつも誰かに抱かれているんだ
俺に残された道はただ一つ
荷物をまとめて この街を去ること
彼女といると 気が変になりそうだから
ギターの鳴るところに 俺の可愛い奥さんを残して…

(コーラス くりかえし)

*1:シングル『移民の歌』B面。通称「ストリート・コーナー・ガール(Street Corner Girl)」。『コーダ(最終楽章) <リマスター/スーパー・デラックス・エディション>』に収録。