
微かなる薫りに満ちたそのベッド
深さでは 墓に負けないそのディヴァン
ここよりも もっときれいな空のもと
二人のために花咲いた 異国の花は棚の上
わたくしたちの心臓は あたかも競い合うように
熱量を使い尽くして 巨大な炬火となるでしょう
その輝きの明るさは わたくしたちの精神の
合わせ鏡に反射して 二倍の量となるでしょう
薔薇色と 神秘の青を帯びた夜
二人が交わす 最初で最後の稲妻は
つらい別れに満ちみちた 長い嗚咽のようでしょう
時は流れて 少しだけ隙間のできた扉から
訪れる一人の天使 心をこめて 楽しげに
鏡面の曇りを浄め 火を再点火するでしょう
*『悪の華』初版98。原文はこちら。