
自由の人よ いつの日も海を愛する君でしょう
海こそ君の鏡です 寄せては返す海の波
その永遠に君は見る 自分自身の魂を
そうして君の精神も やっぱり苦い深淵だ
自分自身の影像の胸へと 君は身を投げて
これを目に抱き 腕に抱く そうして君は時として
この海という 言うことを聞かない 粗野な動物の
不足たらしい鳴き声に つらい気持ちをまぎらわす
君らはともに陰険で用心深い性分だ
人よ お前の内面の深さを知った者はない
海よ お前が秘蔵する宝を知った者もない
大事を深く秘めたがるひねくれ方もそっくりだ
にもかかわらず 数知れぬ世紀を超えて 君たちは
互いに情け容赦なく 危害を加え合ってきた
それはそろってそんなにも死と殺戮が好きだから
不屈不撓の闘士たち 不倶戴天の兄弟よ
*『悪の華』14。原文はこちら。