
ある晩 酒の魂が 歌をうたった瓶の中
「廃嫡の子よ 人間よ 真っ赤な色の蝋キャップ
ガラスでできた牢獄に封印されたこの私
君に光と友愛でいっぱいの歌を聴かせたい
知っているとも この私 燃ゆるがごとき丘の上
私を生んで 魂を入れるためには いかばかり
重労働と汗水と 強い日ざしが必要か
私は心ある者で 感謝を知らぬわけじゃない
それは私は労働でくたびれきった人間の
のどへ落ちると 限りなくうれしい気持ちを感じるし
熱い胸こそ私には 実に甘美な死に場所で
冷たいワインセラーより 眠り心地がいいからだ
聴こえるかしら 日曜のルフランの鳴るこのひびき
チャプチャプと鳴るわが胸の音に 希望が聴こえるか
テーブルの上に肘をつき 腕まくりしたお父さん
君は私をほめたたえ きっと満足するだろう.
私は君の愛妻の目をうっとりと輝かせ
君の息子に体力と よい血色を与えよう
人生の土俵に上がる弱者のために この私
筋肉を増強させるオイルの役を務めよう
私は落ちるよ君の中 元気の素の神饌
不死の種蒔き人により 蒔かれる価値の高い種子
そこでわれらの愛により 詩というものが生を享け
滅多に咲かぬ花のよう 神に向かって生い育つのだ」
*『悪の華』初版93。原文はこちら。