- 無題:夜の穹窿同様に…(Je t'adore à l'égal de la voûte nocturne…)*1
- 無題:老幼男女 誰とでも…(Tu mettrais l'univers entier dans ta ruelle…)*2
無題:夜の穹窿同様に…(Je t'adore à l'égal de la voûte nocturne…)*1
夜の穹窿同様に 俺はお前が大好きだ
悲しみの器よ 物言わぬ偉大な像よ
わが両腕を 蒼穹と海から分離するごとく
わが夜な夜なの装飾よ お前が俺を避けるから
からかうように距離を置き さらに置くかに見えるから
さらにお前に心惹かれる
死体に蛆が湧くごとく
お前めざして突き進み お前めがけてよじ登る
おお心ないけだものよ 俺はお前の
薄情だって大好きだ それがお前を美化するからだ
無題:老幼男女 誰とでも…(Tu mettrais l'univers entier dans ta ruelle…)*2
老幼男女 誰とでもベッドを共にしかねない
淫乱女よ 退屈が君の心を鬼にする
奇異な遊びを遊ぶため 磨きをかけた君の歯は
日に一つずつ むしゃむしゃと心臓を喰う要がある
きらきら光る君の目は 店びらきした店のよう
または祝祭日の夜 点るランプの列のよう
みずからの美の権限をわきまえず
暴君なみにちぐはぐな殺傷力をふりまわす
非道において多産なる 世にも非情な処刑具よ
万人の生き血をすする 衛生器具よ
どうして君は恥ずかしくないのか 疾うに色あせた
君の色香を ありとある鏡の前に見ないのか
情事のプロとうぬぼれる自分自身の悪行の
その由々しさに愕然と ひるんだことはなかったか
人知の遠く及ばない秘策において 偉大なる
自然は君を利用して 女よ 無知な動物よ
愚劣な君を利用して 天才を叩き上げるのだ
反吐が出そうな栄光よ 赫々たる赤っ恥よ