売春宿に潜入だ
A子は顔が割れている
B子は顔をつぶされた
だからC子は社運を賭けて
売春宿に潜入だ
君は官能小説家
社会の闇を暴けるか
闇に病んだら
葬るまでだ
奴隷市場に売るまでだ
朝っぱらから店びらき
堕落男子に大人気
プレイするのは人形だ
恋をするのは営業だ
すべて芝居だ 商売だ
売れるからこそ濡れるのだ
売れないものに価値はない
金で買えない愛はない
嘘とまことは紙一重
気が狂うのはあたりまえ
素肌が白い百合に見え
恥部が真赤な薔薇に見え
嘘とまことは瓜二つ
採るべき道はただ一つ
破廉恥漢を
溺愛できる
出来た女優と豪遊だ
A子は足がついたのだ
B子は首が飛んだのだ
だからC子は社運を賭けて
性の潜入ルポを書け
赤裸々に書け 煽情だ
暴露はやめろ 炎上だ
こんな才女は画像を削除
優良客に売却だ
変死体
海よりもなお深い謎
それはあなたのうらの顔
あとを絶たない変死体
一糸まとわぬ全裸体
カメラ片手にもてあそぶ
まだあたたかいこの遺体
きれいに撮れたこの頭部
そっとKISSしたその陰部
ねえお姉さま 季節柄
濡れ場だらけの校舎うら
この草むらを嗅ぎまわり
撮ったいけない女子ひとり
ごらんあそばせ この写真
肌もあらわにご乱心
撮ってうれしい美女の恥部
売ればうるおう新聞部
ああ麗しのお姉さま
こんな場所柄 季節柄
はやくわたしをうるおして
甘い生き血をすすらせて
「わなにかかった部長さん
あなたは今日の昼ごはん
あとを絶たない不審な死
真犯人はこのわたし
みんなわたしと恋に落ち
地獄に堕ちた天使たち
いっそ死にたいこのわたし
何を隠そう不老不死
だから場所柄 季節柄
いっそ死んではどうかしら
死ねばうるおうこの大地
死ねば死ぬほどいい気持ち
口をパクパク
そろそろ危篤
自業自得ね お気の毒」