魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

抒情詩「子どもを作れ」

ジョン・エヴァレット・ミレー「午後の紅茶またはゴシップ」ウィキメディア・コモンズより。

Ⅰ お金を作れ

あなた妹 わたし姉
 いつも足りない遊ぶ金
 もっとやりたい魔性のうたげ
もっと悪のり 悪ふざけ
(だから男子は働いた
  そして悪事もはたらいた
 そしてお縄をいただいた)
あなたとわたし
 美少女どうし
法の網の目くぐり抜け
人を引っかけ
 わなにかけ
あとは骨までしゃぶるだけ
しなを作って
 笑顔作って
 男作って
お金を作れ
たとえ政府ににらまれようと
 魔女のうたげを絶やすまい

Ⅱ 子どもを作れ

あなたとわたし し放題
 同じベッドで寝放題
 だけど二人に子どもはいない
同じ血を引く子はいない
続く殺戮さつりく
 高まるリスク
増強したいこの家族
(だから婦女子は
  男子に食われ
 産んだ子どもに埋められる)
われら堕天使
 人命軽視
求めるものはただ精子
男子と握手
 精子を搾取
用が済んだらすぐ斬首
ひまを作って
 キャラを作って
 男作って
子どもを作れ
たとえ政府ににらまれようと
 魔女の血筋を絶やすまい

Ⅲ 子育てのうた

できる女は
 何でもできる
できた子どももよくできる
できた子どもは
 妖女の幼女
罪を知らない性少女
(だから教師は
  全員狂死
 校舎に放火して焼死)
魔女のしつけは
 楽しいしつけ
きむすめの血をすするだけ
かつて母乳を
 すすったむすめ
今や生き血を吸うむすめ
今やめきめき
 魔性を発揮
持って生まれた血の餌食
まとう妖気に
 ただよう殺気
藍より青い吸血鬼
子どもを作れ
 未来を作れ
 時間作って
時代を作れ
たとえ政府ににらまれようと
 一族の血を絶やすまい