テキストはpoetryfoundation.orgのヴァージョンに拠る。なお全訳が読みたい方には下のダコタさんの訳をお薦めします。原詩に忠実な訳詩です。
<目次>
- あらすじ(英語版ウィキペディアより)
- 朝に夕べに(第1行~第31行)
- ローラは金色のあたまをもたげ(第52行~第80行)
- 苔むす谷を降りる途中で(第87行~第114行)
- だが甘党のローラはあわてて言った(第115行~第140行)
- 家の門まで来ると リジーが待ち受けていて(第141行~第183行)
- 金色のあたまをならべ(第184行~第214行)
- ローラはあの「買っとくれ 買っとくれ」という(第253行~第268行)
- ローラはもう家の掃除も(第293行~第328行)
- 「妖精たち」と呼びかけたリジーは(第363行~第407行)
- ひりひりと ちくちくと ずきずきと(第447行~第523行)
あらすじ(英語版ウィキペディアより)
『ゴブリン・マーケット』はローラとリジーの二人の姉妹による、川辺のゴブリンたちとの冒険を歌った物語詩である。
姉妹たちは非常に幼く見えるにもかかわらず、自分たちだけで一軒家に暮らし、毎日夕方になると川へ水を汲みに行く。冒頭で、彼女たちは夕暮れ、ゴブリンの商人たちがそのファンタスティックなフルーツを売る声を聞く。その日、彼らの不思議さに興味を覚えたローラは、リジーが帰宅したあとも川辺に留まる(ロセッティは「ゴブリンの男たち」が動物に似ており、猫やウォンバットのような顔をして、尻尾が生えていることを示唆している)。ゴブリンの果実が欲しくてもお金がなかったローラは、彼女の金髪のひとふさと「真珠よりもレアな涙」で衝動的に支払う。
ローラはバッカス風の狂宴の中で美味な果実をむさぼり喰う。食べ終わると、彼女は果実の種を一つだけ持って、エクスタティックな夢見心地の中を家路に就く。家に帰ると、彼女はリジーに自分を夢中にさせた快楽について語るが、リジーは彼女に「たっぷりとお説教」をし、ジーニーという別の少女のことを思い出させる。この少女もまたゴブリンの果実を食べ、長い、悲惨な病いの後、冬の初めに亡くなった。奇妙なことに、ジーニーの墓には一本の草も生えないのだ。ローラは姉の心配を退け、翌晩には自分とリジーのためにもっと多くの果実を手に入れようと計画する。二人の姉妹は一つのベッドで共に眠る。
翌日、二人は家事をこなしながらも、ローラの方はゴブリンたちとの次の会合をうっとりと夢みている。ところがその晩、川辺で耳を澄ましながら、彼女は恐ろしくも、ゴブリンたちの歌や呼び声が、リジーには聞こえるのに、自分には聞こえなくなっていることに気がつく。
禁断の果実を買うことができなくなって、彼女は病み、やつれる。冬が近づくにつれ、彼女は痩せ衰え、不自然に年老いて、雑用もこなせなくなる。ある日、彼女は取っておいた種のことを思い出して植えてみるが、何も生えてこない。
数ヶ月が過ぎ、リジーはローラに死期が迫っていることを理解する。彼女は妹のためにゴブリンの果実を購入することを決心する。1ペニー銀貨を持って、彼女が川辺を訪れると、ゴブリンたちは彼女を暖かく迎え、会食に招待する。しかしこの商人たちは彼女の目的が果実を食べることではなくて、ただ買い取ることだけだと知ると、彼女を攻撃し、力ずくで食べさせようとする。リジーは全身果肉と果汁まみれになるが、決して食べない。
リジーは家に逃げ帰る。しかし瀕死のローラがリジーの体から果肉や果汁を食べると、容態は安定するどころか急変し、ローラは恐ろしい発作を経験する。
とはいえ翌朝までに、ローラは完全に回復する。最終節はローラとリジーが二人とも生きており、それぞれの子供たちにゴブリンの果実の害と、姉妹愛の力とを語り伝えていることを証明する。
朝に夕べに(第1行~第31行)
朝に夕べに
少女たちはその声を聴いた
「俺たちの果樹園で採れた果実
買っとくれ 買っとくれ
リンゴにマルメロ
レモンにオレンジ
無傷のむっちりしたチェリー
メロンにラズベリー
産毛に包まれた桃
黒い頭をした桑の実
野生のクランベリー
クラブアップルにデューベリー
パイナップルにブラックベリー
アプリコットにストロベリー
すべてはこの夏空のもと
過ぎゆく朝また朝に
美しい夜また夜に
いっせいに熟れたくだもの
買っとくれ 買っとくれ
採れたてのグレープ
中身のぎっしり詰まったザクロ
デーツと酸っぱいビュレーセス
貴重な西洋ナシとグリーンゲージ
まずはご賞味あれ
ダムソンにビルベリー
カランツにグーズベリー
真っ赤に燃えるバーベリー
お口を満たすイチジク
南国産のシトロン
目に快く 舌に甘い
買っとくれ 買っとくれ」
ローラは金色のあたまをもたげ(第52行~第80行)
ローラは金色のあたまをもたげ
小川のせせらぎのようにささやいた
「ほら見て リジー ほら見て リジー
小さな男たちが谷を降りてゆく
盛りかごを運んだり
小皿を運んだり
重さ何ポンドもありそうな
純金の大皿を運んだり
あのように美味しそうな葡萄が生る葡萄樹は
さぞかし美麗でしょうね
あのように立派な果実が実る果樹園が在るのは
常夏の国なのかしらね」
「違う」とリジーは言った「違う 違う違う
彼らの売り物は美味しくはない
彼らの贈り物は体によくない」
彼女はふっくらした指を
両耳に突っ込むと 目を閉じて走った
好奇心の強いローラはその場にとどまり
驚き怪しみながらゴブリンたちを見つめた
猫の顔をした者もいる
尻尾を振る者もいる
ちょろちょろ走る者は鼠のよう
ゆっくり這う者は蛇のよう
ふわふわでずんぐりしたウォンバットのような者は忍び歩き
ラーテルのような者はどたばたと転がってゆき
彼女は鳩たちがいっせいに
ぽっぽと鳴くような声を聴いた
夕暮れの涼しい風の中で
彼らの声は優しく 愛に満ちて聴こえた
苔むす谷を降りる途中で(第87行~第114行)
苔むす谷を降りる途中で
向きを変えたゴブリンの行列は
「買っとくれ」と甲高い声で
繰り返し叫びながら戻ってきた
ローラがいるところまで来ると
苔の上で直立不動の姿勢を取った
お互いを流し目で見る
変態兄弟たち
目配せを交わし合う
腹に一物ある男たち
ある者は盛りかごを地べたに下ろし
ある者は小皿を捧げ持ち
ある者は草の葉っぱと蔓と ごつごつとした
木の実とで 冠状の髪飾りを編み始めた
(そんなものを売る店はこの世には無い)
ある者はフルーツの載った純金の
大皿を持ち上げて彼女に差し出した
そして「買っとくれ 買っとくれ」となおも叫び続けた
ローラは目を凝らしたまま動かなかった
欲しかったがお金がなかった
尻尾を振る商人は 蜂蜜のように
滑らかな口調で「ご賞味あれ」と言った
猫の顔をした者はごろごろと喉を鳴らし
鼠のようにちょろちょろ走る者は「ようこそ」と言い
蛇のように這う者まで声を上げた
鸚鵡の声をしたお調子者は
「可愛いポリー」と鳴かず「可愛い妖怪」と鳴いた
小鳥のように口笛を吹く者もいた
だが甘党のローラはあわてて言った(第115行~第140行)
だが甘党のローラはあわてて言った
「妖精たち お金がないのよ わたし
このまま食べたら無銭飲食だし
私の財布には銅貨がなくて
だからもちろん銀貨もなくて
私の金貨は 風に吹かれて
錆色のヒースの花の上で
ゆれているハリエニシダの花だけ」
「君の頭は宝の山だ」
ゴブリンたちはいっせいに答えた
「その金髪と引き換えだ」
純金の価値がある金髪のひとふさを切り
真珠よりも貴重なひとつぶの涙がぽろり
それからローラは赤や黄色のまるまるとした果実にむしゃぶりついた
岩からの蜜*1よりも甘く
大人が酔う酒よりも強く
清水よりもきよらかに流れる果汁
こんなの食べたことない
いつ飽きるのか知らない
未知の果樹園で獲れたこの味
ローラはしゃぶりにしゃぶり
気がつけば唇がひりひり
それから食べ残した皮を投げ捨て
種を一つだけひろって
帰りは一人 感激のあまり
昼も夜もわからなかった
家の門まで来ると リジーが待ち受けていて(第141行~第183行)
家の門まで来ると リジーが待ち受けていて
たっぷりと叱りつけた
「いいこと 門限を守りなさい
女の子に夜はよくない
谷はゴブリンたちの溜まり場
人がうろついていてはいけない
ジーニーのことを忘れたの?
彼女はゴブリンたちと月夜に出会い
上質の贈り物を大量に受け取った
彼女は ひと夏の日の恵みに満たされ
森の木蔭で摘み採られた
果物を食べ 花々で着飾った
けれど一夜明けると
彼女はやつれにやつれ
昼も夜もゴブリンたちを空しく探し求め
髪は白くなり 痩せ衰え
初雪とともに亡くなって
彼女が眠る墓地には 今にいたるまで
草一本生えてこない
私が一年前に植えた雛菊も
いまだに花をつけない
だから気をつけて」
「うるさい」とローラは答えた
「姉上はお黙り下さい
お腹はいっぱいになったわたし
お口はまだよだれをたらす
明日の夜はきっと
もっと買うわ」そうしてリジーにキスをしながら
「悲しみにさよなら
ああ採れたてのプラムや
お値打ちもののチェリーを
あなたにも分けてあげたい
あなたは私の歯が初めて知った
イチジクの味をまだ知らない
純金の大皿に載ったメロンは
重くて持てないくらい
巨きくて冷たい
何たる産毛にくるまれた桃
何たる透明な種なしぶどう
あのような果実が実る果樹は 必ずや
蜂蜜酒のごとく馥郁たる土壌に根ざし
百合の花咲く清冽な川辺に育ち
その樹液は砂糖のように甘いに違いない」
金色のあたまをならべ(第184行~第214行)
金色のあたまをならべ
同じ巣で翼を重ねて休む
二羽の鳩のように
二人はカーテンを閉ざしたベッドで眠った
一本の茎に咲く花と花とのように
新雪のひとひらとひとひらのように
畏れ多い王様たちのための
黄金の持ち手がついた二本の象牙の杖のように
月と星とは窓からのぞきこみ
風は子守唄を歌った
彼女たちが眠るころには
鈍重なふくろうたちは動きを控え
ひらひらと飛び回るこうもりもなく
頬と頬 胸と胸とをくっつけて
二人は同じ寝床でひしと抱き合ったまま眠った
朝早く
一番鶏が鳴くころ
ローラとリジーは蜜蜂のごとく健気に
いそいそと ばたばたと起床した
採蜜や搾乳をして
室内を換気 整理整頓
まっしろな小麦粉を捏ね 可愛らしいそのお口に
ぴったりのケーキを焼き上げたあとには
バターを作り クリームを泡立て
鶏にエサをやると 腰掛けて 縫い物をした
しとやかに言葉を交わすローラとリジー
リジーはおおよそざっくばらんに
ローラはまるでうわの空
一人はすこやか 一人は心の一部を病み
一人は光の中で屈託なく笑うかたわら
一人は闇に恋い焦がれていた
ローラはあの「買っとくれ 買っとくれ」という(第253行~第268行)
ローラはあの「買っとくれ 買っとくれ」という
ゴブリンたちの声が
リジーにしか聞こえないのに気がついて
石のように冷たくなった
それではあの珍味はもう手に入らないのか?
ゴブリンたちの声も聞こえず 姿も見えなくなった今
あのジューシーなエサにありつくことは二度とないのだろうか?
彼女の生命の樹は根もとから揺さぶられた
けれどその悲しみは胸の奥に秘め おくびにも出さなかった
ただ夕闇に目を凝らしても何も見えず
とぼとぼと歩く道すがら ずっと水差しの水をこぼしながら
帰り着くとベッドにもぐり込み
リジーが眠るまで寝たふりをして
やがて 身を焦がす渇きに身を起こすと
満たされない欲求に歯ぎしりしながら
胸も張り裂けんばかりに泣くのでした
ローラはもう家の掃除も(第293行~第328行)
ローラはもう家の掃除も
牛や鶏の世話もしないで
蜂蜜を採ることも
小麦粉を捏ねてケーキを作ることも
川で水を汲んでくることもせず
ただ暖炉のそばにしょんぼりと腰かけたまま
食事も摂りませんでした
優しいリジーにとって
妹の煩悶を目の当たりにしながら
共有できないのは耐えられないことでした
彼女は朝に夕べに
その声を聴いていました
「俺たちの果樹園で採れた果実
買っとくれ 買っとくれ」
川辺で または谷間を歩きながら
あわれなローラには聴こえない
ゴブリンたちの訪れを 呼び声を 立てる物音を
かすかに聴いていた
妹に果実を買ってやりたかった
けれど代償が高くつくことを恐れた
思えば死んだジーニーは
結婚式を間近に控えていた
花嫁となる幸せの代わりに病いを得て
若い身空で
冬が来る前に
初霜が降りた日に
その年初めての雪が降った日に 彼女は逝ったのでした
けれどもやがて ローラの顔に
死相を見て取ったとき
リジーはみずからの行く末を もはやおもんばからず
ただ1ペニー銀貨を一枚財布に入れて
ローラにキスをすると
ハリエニシダとヒースの生い茂る荒野をよぎり
夕暮れの川のほとりに立ち
そこでまず生まれてはじめて
目を凝らし 耳を澄ました
「妖精たち」と呼びかけたリジーは(第363行~第407行)
「妖精たち」と呼びかけたリジーは
ジーニーのことを忘れてはいなかった
「うんと売ってちょうだい」
彼女はエプロンをひろげ
銀貨を放擲した
「そうじゃなくて 俺たちとならんで座って
一緒に有り難くいただくんだ」
ゴブリンたちはにやにやしながら答えた
「宴は始まったばかりだ
まだ宵の口だ
風はあたたかく 露はきらめき
星は明るく 床に就くにはまだ早い
かくも新鮮な果実は
運搬はできない
大半の色は褪せ
大半の露は乾き
大半の風味は失せる
だから腰を下ろして 俺たちとたらふく食べて
俺たちの上客として
俺たちとともに過ごしてよ 歓迎するから」
「どうも」とリジーは言った「けれど私の帰りを家で
待っている子が居るのよ
私たちの交渉 これ以上は無用
うんと売ってちょうだい
と私は言っているのに あなたたちが
ちっとも売る気がないというなら
私が代金として放擲した
1ペニー銀貨を返してちょうだい」
彼らは頭をかきむしり始めた
もはや尻尾を振ったり のどを鳴らしたりせず
目に見えて不機嫌になり
唸ったり 吠えたりした
ある者は彼女が高飛車だと言い
ある者は彼女が素直でなく 無礼だと言った
彼らの声は高くなり
彼らの形相は一変した
尻尾を鞭のように鳴らしながら
彼らは彼女に向かって押し寄せ 押しやり
ひじ鉄砲や体当たり
爪を立てて引っ掻き
わんわん にゃあにゃあ しゅうしゅうと罵りながら
彼女のガウンを引き裂き ストッキングを汚し
彼女の髪を根もとから引っ張り
彼女の華奢な足を踏みつけ
彼女の両手を押さえ 彼らのフルーツを
その唇に押しつけて無理に食べさせようとした
ひりひりと ちくちくと ずきずきと(第447行~第523行)
ひりひりと ちくちくと ずきずきと
からだのあちこちが痛むのをがまんしながら走り続けた
昼も夜もわからなかった
川を飛び越え ハリエニシダを引き裂き
雑木林を登りくだり 縫うようにして
そうして走りながら財布の中で一枚の銀貨が鳴る音を
リジーは耳にしていた
その音は彼女の耳には音楽でした
彼女は走った 走った
それはあたかもゴブリンたちが
彼女をからかうか 呪うか 殺すかするために
後をつけてこないかと それを恐れるように
しかし一匹のゴブリンも追いかけてこず
また彼女自身も少しもひるんだりしませんでした
優しい心が足につばさを与え
それで彼女は急ぎながらも 内心は快哉を叫びながら
ほとんど息もつがずに家路を駆け抜けました
「ローラ」庭から駆け込むやそれは大きな声で
「さびしかったでしょう
さあキスをして
私の傷にかまわないで
私を抱いて キスをして 私のジュースを吸うといいわ
これぞゴブリンの果実から搾り取られた
ゴブリンの果肉と ゴブリンの果汁
私を食べて 飲んで 愛して
ローラ 私を大切にして
あなたのために 私は勇を鼓して谷をくだり
ゴブリンの商人たちとかかわりを持ったのだから」
ローラは椅子から飛び上がると
両手を宙に差し上げて
みずからの髪をつかんだ
「リジ― あなた まさか私のために
あの禁断の果実を口にしたの?
あなたの光は私の光のように失われ
あなたの若さは私の若さのように枯れ果てて
私が駄目になったせいであなたまで駄目になり
私が死ぬせいであなたまで死んでしまうと言うの?
ゴブリンの毒にあたって 癒えることのない渇きと病苦に冒されて」
彼女は姉にしがみつくと
キスをして キスをして キスをした
熱い涙がふたたび
落ちくぼんだ目に込み上げた
それは長い日照りのあとの
慈雨のごとくほとばしりでた
死病の恐怖と苦痛にがたがたふるえながら
彼女は飢えたくちびるで 何度も口づけをした
そのくちびるは焦げ始めた
その舌にとって この果汁は苦蓬であった
ローラはこのご馳走を憎んだ
憑かれたように身をもだえ 跳びはね 奇声を発すると
ローブを引き裂いて その両手を
苦しくてたまらない様子でせわしなくよじり合わせながら
みずからの胸を打ち叩いた
彼女の髪は逆立ち
全速力で駆けてゆく走者が
捧げ持つ炬火のように
疾駆する馬のたてがみのように
光線を跳ね返しながら
太陽めざしてまっしぐらに飛んでゆく荒鷲のつばさのように
檻から解き放たれた猛獣のように
急行する軍隊が振りかざす軍旗のように なびいた
速やかな火が全身の血管を駆けめぐり 心臓に来て
そこで燻っていた火と出会い
消えかけていた火を圧倒した
彼女は名前のない苦患をむさぼり食らうのでした
ああ命を危険にさらすような
つらい役回りを選ぶとは おばかさん!
五感はこの死闘で駄目になった
とうとう彼女は 地震で倒壊した
物見やぐらのように
雷に打たれた帆柱のように
強風に翻弄されて 根こそぎ
引き抜かれた大樹のように
水しぶきを上げて横転した
海上の竜巻のように
ばったりと倒れてしまいました
天国のよろこびと地獄の苦しみのあとに訪れたもの
それは「生」だったでしょうか?「死」だったのでしょうか?
アンナ・ブランドフォード(Anna Blandford)監督による「ゴブリン・マーケット」の初の実写映画版であるところの短編映画『ゴブリン・マーケット――永遠に失われた純潔(Goblin Market ―Innocence lost forever)』(2012年、イギリス)の予告編。
Goblin Market - Submission to ÉCU 2013 (Trailer)