
物思う家畜のごとく 砂浜に寝そべりながら
はるかなる水平線に目を向ける この女たち
結ばれた片手と片手 絡み合う足と足には
快感のけだるさがあり 激痛のわななきがある
長年にわたる思いを その胸に秘めた少女は
さらさらと水の流れる叢林の奥に隠れて
臆病な乙女心であこがれたひとの名前を
刻むべく 若い盛りの新緑の木を傷つける
他の女子が 尼僧のごとく ゆっくりと またしめやかに
歩みゆく 夢幻に満ちた岩山は 熔岩に似た
むきだしの 紫色のおっぱいが現れるのを
大アントニオスが修行中 見た岩山だ
他の女子は 枯れ木でできた松明のともしびのもと
いにしえの異教徒たちの 空っぽの巣穴にこもり
痛恨の極みの念を眠らせる酒神さまよ
絶叫とともに あなたの名を呼んで 救済を乞う
他の女子は 修道服をよろこんで身に着けながら
丈長き着衣の下に 一本の鞭を隠して
ただひとり過ごす夜な夜な 生い茂る木立のかげで
受刑者の流す涙に 快楽のあぶくを混ぜる
処女たちよ 化け物たちよ 悪魔らよ 殉教者らよ
現実を馬鹿にしている 偉大なる精神たちよ
時として叫んでばかり 時として泣いてばかりの
永遠を探し求める 痴女たちよ 求道者たちよ
地獄まで わが魂が追ってきた妹たちよ
私には 君らのことが 痛ましいまでに愛しい
君たちの苦悩のゆえに 癒やされぬ渇きのゆえに
大いなる器を満たす 測り知れない愛のゆえに
*『悪の華』第二版111。原文はこちら(朗読付き)。同名の「禁断詩篇」についてはこちら。
