魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

エドガー・アラン・ポー「ユーラリー(Euralie)」&「地下深く(Deep in Earth)」

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ヴァージニア・ポー。エドガーとともにヴァージニアの最期を看取ったマリー・ルイズ・シュウ夫人が、死後数時間のうちに描き上げたものだそうで、日本語版ウィキペディアによりますと、信頼に値するヴァージニアの肖像はこれ一点しか残っていないとのこと。

ユーラリー(Euralie)

ユーラリーを迎えた日まで
金髪巻き毛のユーラリーをわが花嫁として迎えた日まで
わたくしは呻吟の世界に
 ただ独り住んでいて
わが魂はよどんだ潮であった

 ああ 夜空の星の
 輝きも この美少女の
明眸に比べれば 暗い 暗い
 月光と夜霧が織り成す
 パープルとパールの色の
花びらの そのひとひら
ユーラリー 彼女が魅せる ほつれても くしけずらない巻き毛ほど 綺麗ではない
ユーラリー 彼女が魅せる 乱れても淫らではない髪ほどに 綺麗ではない

 「疑い」も「痛み」も 今は
 わたくしをわずらわさない
彼女の心は 溜息に溜息を返してくれるから
ユーラリー そんな彼女が 蒼天を仰ぎ見る時
ユーラリー 紫の目の新妻が 空を見る時
 金星は 昼もひねもす
 燦然と光り輝く*1

地下深く(Deep in Earth)*2

地下深く わが恋人は横たわり
私は一人で泣かなければならない

*1:金星が昼間でも観測できるというネタについては、こちらの記事もご参照ください。

*2:「ユーラリー」の手書き原稿の裏面に書き付けられていた二行詩。原文無題。