
聖少女
聖少女 魔少女を抱く
天才と鬼才のKISS
黒髪の乱れも知らず
打ち伏した秋の夕暮れ
黒髪の乱れも知らず
打ち伏して見せびらかす
全身の新しい傷
性的なよろこびの地図
聖少女 魔少女を抱く
満身の創痍にKISS
心なき人形あまた
情死する秋の夕暮れ
人形
そのかみの淑女のような
美しい人形に胸焦がす日々
淫らな夢にうなされ
蒼ざめた寝室で目をさまします
人形に胸焦がす日々
淫らな夢また夢にうなされ
蒼ざめて目をさます日々
首筋の傷あとはKISSの痕です
婚礼の夜
殺そうと心に決めて
忍び込む白い寝室
花もないさびしい部屋で
花よりもきれいな君が
人形のように寝ている
僕の子を身ごもるために
殺そうと心に決めた
今夜こそ婚礼の夜
僕の子をはらむしかない
そんな子は埋めるしかない
繚乱と咲いた人体
血に染まる白い寝台
君はもう僕の人形
今夜こそ婚礼の夜
透明人形
鏡よ鏡よ鏡さん
どうして映してくれないの
わたしを映してくれないの
一人の部屋に鍵をかけ
鍵がかかったこの部屋で
女子が刃物を砥いでいる
砥いだ刃物をふりまわす
女子が鏡に現れる
真っ赤に燃える女子と女子
真っ青になるこのわたし
女子と女子とが真っ赤に発火
刺せば刺すほどまっかっか
女子と女子とはこうして情死
するとすべてを失うわたし
ガラス箱からきれいに消える
鏡がわたしを探してる
わたしの恥部を探してる
げらげら笑う人形の恥部
人に見られて恥ずかしく
みずから見るもおぞましく
見れば見るほど見られたく
見られないではいられない
鏡よ鏡よ鏡さん
未来を見せてくださいな
未来を見せてくださいな
人形泥棒
女子大生は医師志望
残念ながらもう死亡
ご覧の通り失血死
刺した女はこのわたし
まずは脱がせて目の保養
撮った写真は手淫用
見目うるわしいこの死体
魅入られるまで見入りたい
金があったら抱いていた
金がないから刺していた
どうせわたしは貧乏だ
だから人形泥棒だ
小説を書くお父さん
恋の詩を書くお母さん
一人娘のこのわたし
暇さえあれば人殺し
ビルから飛んだお父さん
崖から消えたお母さん
当てにしていたその遺産
当てが外れて自己破産
今日も今日とて掘った穴
埋めたむすめは散った花
どうせわたしは貧乏だ
だから人形泥棒だ
足を洗った人殺し
足を使って職探し
面接官はあら探し
魅せてやりたいこの素足
だから会いたい 人形師
作ってほしい わが天使
今すぐ欲しい わが未来
なのに「料金前払い」
人間愛は共鳴だ
人形愛は運命だ
人間よりも人形だ
今日も人形泥棒だ
泳ぐ心臓
先生が早退させたこの少女 夢は人形
勉強ができない子より できる子が先生は好き
ホテルでは会えない子より 会える子が男性は好き
商品になりたい少女 夜明けまで励む営業
肉体を売ってうるおう商売は しょせん副業
性的なテクニックより 美少女はイメージが武器
男性をだませる女子が 男性は誰よりも好き
分身を売ってうるおう商売が 美女の本業
写真家が撮った分身 先生が見たら乱心
同性の裸身と裸身 百合色の虚像を偽造
禁断を猥談化する このような事業は虚業
探偵が隠し撮りしたこの写真 見たら失神
虚像より魅せる実像 血の海を泳ぐ心臓
人形になりたい人魚 人間をついに廃業