魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

(日本語訳)ランボー「祈り(Dévotion)」

アルマン・ゴーチェ「三人の尼僧」。コルネットをかぶっている。ちなみにコルネットは白いのが当たり前で、ブルーのコルネットなんか実在しないと思います。ウィキメディア・コモンズより。

わが修道女シスター、ルイーズ・ヴァナン・ド・ヴォランゲムへ。――「北海」を向いたブルーの尼僧帽コルネット。――漂流する遭難者たちのために、祈りを。
わが修道女シスター、レオニー・オーボア・ダッシュビーへ。願わくは――うるさい夏草、くさい草――母子ぼし解熱げねつのために、祈りを。
ルルへ。――悪魔め。――君は「女友だち」時代、学業怠慢少女時代から、礼拝堂オラトワール通いは欠かさなかった。――男たちのために祈れ。××夫人へ。
在りし日の若き私へ。この年老いた聖者へ、現役であろうと世捨て人の身であろうと。
最下層の人々のエスプリへ。最高位の聖職者へ。
同様に、記念すべき礼拝所における、すべての礼拝へ。および一瞬の気の迷い、もしくはわれわれが根っからの悪人である所以ゆえんのものにしたがって、人が参加しなければならない行事における、あらゆる礼拝へ。
今宵、シルセートへ――すなわち鮮魚のごとく肥満せる、真っ赤な夜の十ヶ月間のごとく燦然たる、大氷塊のシルセートへ。――(その心臓は琥珀の色の導火線)――願わくはこの闇夜の国のごとく無言なる祈りのために――そしてまた、この北極のカオスよりもなお狼藉を極めた蛮行のさきがけとなるであろう、そんなわが唯一無二の祈りのために、祈ってくれ。
どんな代償を支払おうとも、どんな姿になろうとも、たとえ形而上学メタフィジークの海に漂おうとも――だがそれが最後だ。


*ラコスト版『イリュミナシオン』40。原文はこちら