先日アップした記事『富江ーアンリミテッド』では、映画の『富江』シリーズは全部で8作あると書きましたが、テレビドラマとして放映されたものも含めますと、映像化された『富江』は今のところ9作あることになるようです。このうち2作は行きつけのネットカフェで無料視聴でき、もう2作はレンタルビデオ屋で借りて見て、あとは無理かと諦めていたところ、DMMの動画配信サービスなるものがレンタルビデオよりも少し安い値段で利用できまして、有難く全作観賞させていただきました。
原作の漫画版も読みました。こちらはぶあつい短編集が上下二巻に分かれて出ています。以上で『富江』のすべてをチェックした形になりましたので、あらためてまとめの記事を書いておこうと思います。まず以下に日本語版のウィキペディアから。
『富江』(とみえ)は、伊藤潤二によるミステリーホラー漫画、及びそれを原作としたホラー映画・ドラマ作品である。
川上富江は、長い黒髪、妖しげな目つき、左目の泣きぼくろが印象的な、絶世の美貌を持った少女。性格は傲慢で身勝手、自身の美貌を鼻に掛け、言い寄る男達を女王様気取りで下僕のようにあしらう。だが、その魔性とも言える魅力に、彼女を目にした男達は皆、魅せられてゆく。
やがて富江に恋する男達は例外無く次第に彼女に異常な殺意を抱く。ある者は富江を他の男に渡さず自分が独占したいが為。ある者は富江の高慢な性格に挑発され。ある者は富江の存在の恐怖に駆られ彼女を手に掛ける。
しかし、富江は死なない。何度殺されても甦る。身体をバラバラに切り刻もうものなら、その肉片一つ一つが再生し、それぞれ元と同じ風貌と人格を備えた別々の富江となる。たとえ細胞一つからでも、血一滴からでも甦り、富江は無数に増殖してゆく。そしてその富江達が、また男達の心を狂わせてゆく……。
以上ですが、幾つか情報が不足しているように思われますので、僭越ながら以下に私見を付け加えます。
1)本名・身長・体重・年齢等の基礎データ
本名は上にあります通り「川上富江」。身長はずばり160cm以下、体重は40kg台か、それ以下でしょう。ある中国語のサイトに「川上富江は長身でスリムな体型」とありましたが、スリムには違いないが、長身ではないでしょう。日本の美少女というものは普通小柄なものです。
スリーサイズ?ウェストは60cm以下、その他は知りませんが、いわゆる「巨乳」タイプではありません。そもそも彼女はいわゆる「女ざかり」の年齢ではなく、また恐らく「女ざかり」の年齢に達することはまずありませんので、肉体的に(精神的にも?)かなり未熟なところを残している永遠の少女ということになります。
で、その年齢ですが、ほんとのところは十代後半としか言えませんが、先に触れた中国語のサイトでは「恐らく十七歳」としております。私の感じではせいぜい十五六、精神年齢もそれくらいか、それ以下ですね。時々「自分は何百年も生きている」というようなことをほざきますが、根っからのほら吹きなので、真に受けてはいけません。
出身地は日本のどこかとしか言えませんが、恐らく関東の方でしょう。大阪の女でないことだけは確かです。
2)セクシュアリティ
川上富江さんは100%異性愛者です。映画版の『富江』シリーズを見ておりますと、監督の趣味なのか何なのか知りませんが、割と頻繁に百合っぽいシーンが出てきますが、富江さんの本質に関わるものではありません。英語版のウィキペディアを見ますと「コミック版の富江は男性を誘惑するが、フィルム版の富江は女性をも誘惑できる」とあります。
富江さんははっきり言って男好きです。「男なんて、馬鹿で下らない生き物」というのは彼女の口癖ですが、「それならそんな馬鹿者どもに祭り上げられて悦に入っているお前は何なんだ?」という反論も成り立つほどです。
富江さんは男好きですが、特定の男性に入れ上げたということは一度もありません。私の見るところでは、彼女は好ましい男性に出会うと、自分の誘惑能力を試してみたいという不埒な欲求が抑えられなくなるといった様子です。コミック版を読みますと、彼女の父と称する老人が出てきて、こんなことを言う「娘にとって男は単なる飾りじゃ。娘は自分以外に興味はない」。
3)写真うつりが悪い
川上富江さんは(設定上)「絶世の美少女」ですし、殺されるたびに若返るので年を取りませんし、全国各地に複数の「分身」がいるという話ですので、それだけたとえば芸能事務所のスカウトマンなどの目に止まる確率は高いと思います。また本人はとても虚栄心が強く、目立ちたがり屋で、人にちやほやされるのが大好きなので、芸能界入りを夢みたことが一度もないわけはないでしょう。
富江さんは未成年なので、本気で芸能界入りを目指すなら、しっかりした保護者の後ろ盾が必須です。富江さん自身は天涯孤独の身の上のようですが、彼女から「保護者になってくれ」と頼まれて嫌と言える人間はこの世にいないでしょう。要するに本人にその気さえあれば、今ごろモーニング何とかだの、AKB何とかだののうちに紛れ込んで、お茶の間の人気者となっていた可能性は充分にあります。
彼女にそれが出来なかったのには深いわけがある。実は彼女は写真うつりが極端に悪いのです。それも素人が撮るとそうでもないのですが、プロにしろアマチュアにしろ、多少なりとも写真に心得のある人が撮ると、とんでもない不美人に写る。面白いことに、これは肖像画でも同じでして、何せ「絶世の美少女」ですから、彼女の肖像画を描きたいという絵描きも出て来るわけです。ところが彼が精魂を傾けて、彼女を美しく描こうとすればするほど、キャンヴァスには目も当てられぬへちゃむくれの顔が出来上がってゆく。コミック版ではこれは優れた画家や写真家には対象の本質をとらえる能力が備わっているからだと説明されております。しかし富江さん自身はみずからの美貌に絶対の自信を持っていますので、かんかんに怒りまして、写真家や画家といさかいとなり、果てはぶっ殺したり、ぶっ殺されたりしております。