魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

抒情詩「魔女裁判」他一篇(一部押韻)

魔女裁判

マッシモ・スタンツィオーネ「聖カタリナの殉教」。crono.newsより。

病める少女を
 お金で援助
 たった二枚で
したい放題
和姦強姦
 責め折檻
 痴態醜態
見たい放題
「少女よ 君は魔少女だ
  君の痴情は異常だからだ
  売ればうるおう淫婦の陰部
 最高刑に最適だ」

魔女裁判は大詰めだ
 傍聴席はすし詰めだ
被告の少女
 死を待つ妖女
断頭台は正面だ
ところが無罪放免だ
 原告側を拘束だ
 弱者を食って強者に売った
密告者への宣告だ
「だます男子は断罪すべし」
 断頭台に万歳だ

内気なむすめ

オーギュスト・トゥールムーシュ「うぬぼれ」。ウィキメディア・コモンズより。

打ちたいものは
 内気なむすめ
白いからだのすみずみに真っ赤な薔薇を咲かせたい
つぼみのようなこのむすめ
 ほころびそめたその日から
鏡の部屋のまんなかで人形たちとKISSをした
鏡の部屋のすみずみにKISSの金貨をばらまいた
 鏡の前に飾られて
 鏡のように輝いた
いけないひとは誰かしら
いけないあなた
 淫らなからだ
見れば見るほど魅せられる
熟れないうちに売りましょう
熟れたむすめは
 売れないむすめ
叩き売るしかないのです

わたしは歌う
 わたしは打とう
無恥なむすめを鞭打とう
右を打ったら
 左も打とう
あふれよ さらば満たされん
真っ赤に咲いたこの薔薇を花盗人はなぬすびとに売りましょう
魅せる花びら
 見せびらかして
まっぴるまから店びらき
白いしずくのしたたりを宝石商に売りましょう
 打てば打つほどしたたるしずく
売って 売って うるおいましょう
打てるうれしさ
 打つうつくしさ
打てば打つほどうっとりします
 うんと打ちたい内気なむすめ