魔性の血

リズミカルで楽しい詩を投稿してまいります。

えせイタリア風ソネット「青天の霹靂」他一篇

作者不詳『ガブリエル・デストレとその姉妹の一人』ウィキメディア・コモンズより。

青天の霹靂

真っ青な空全体にとどろいた それは霹靂へきれき
 偽りの平和を破るこの暴挙 天の裏切り
 それはこの偽善者たちを許せない 女神の怒り
稲妻が ふたつに裂いたその空の 色は紺碧
ふと見れば 足の下には何もない それが絶壁
 翼ある天使だったら飛べばいい ふわりふんわり
 人間は大地の上を歩くだけ だからがっかり
潔癖な女神を激怒させるもの それは癇癖かんぺき

歴史家は凜としていた 政治家は見落としていた
 ぐっさりと刺さる凶器を待っていた あなたの臓器
絶叫が宇宙を深くつらぬいて 遠のく意識
そよ風にそよぐ草むら ひるがえる少女らの舌
 まっすぐに刺さる性器を待っていた あなたは病気
病人は はやく昇天させるもの それは常識

にせの姉上

何事も うえがあるからしたがある 階級がある
 かみしも たかいやしき 徳不徳 品位の上下じょうげ
 どん底は 唾棄だきすべきクズ 殺しても足りない))))
それでいて 見目みめうるわしく つややかな黒髪がある
この世には正しい人の道がある 正道がある
 万人の登る山道 夜までに越えたい峠
 待ち伏せているのは悪魔 美しい妖怪変化へんげ
前世から結ばれているふりをする だから性悪しょうわる

善人は 誰かのためになることを よろこんでする
 よろこんで 人の嫌がることをする いやらしい舌
逃げようとすれば かならず喰らわせる それは巻き添え
よろこんで人を傷つけ 平然と生き血をすする
 前世から 切っても切れぬきずなにて結ばれていた
ふりをするにせの姉上 無いふりも出来ぬ見覚え